11. ウォーレン・バフェット/投資家
私が7〜8歳の時、幸運なことに本当に興味がもてるものに出会えました。「投資」です。11歳になる頃には、オマハ公共図書館にある投資関連の本は読破していました。そのうちの何冊かは何度も読んだものです。
私の投資人生に最も影響を与えた1冊を買ったのは偶然でした。ベンジャミン・グレアム著『賢明なる投資家』は繰り返し読みました。6回くらいでしょうか。そこには健全な哲学があり、非常によく書かれており、理解するのも簡単です。それに、今日も私が実践する投資哲学を与えてくれました。
その戦略とは、「良いビジネス」を見つける、というものです。なぜそのビジネスが優れているかがわかり、長続きする競争上の優位性があり、優秀で誠実な人たちが経営し、価格設定も筋が通るビジネスであること─。なぜなら、私たちはビジネスを売るわけではないのだから、次の月や四半期までに収益を上げる必要などないのですから。必要なのは、今から10年後、20年後、30年後にお金が増えているビジネス。だからこそ尊敬し、信頼できる経営チームが大切になります。
ただ究極的には、他のすべてよりも大切な投資があります。自分に投資することです。自分の弱さに向き合うこと─。それも今すぐに、です。
若かりし頃の私は人前で話すのが大の苦手でした。それだけは絶対にできませんでした。そこで、100ドルかけてデール・カーネギーのコミュニケーション講座を受講することにしました。すると、私の人生は一変したのです。自分が新たに身につけた力に自信をもつあまり、まだコースを受けている途中だったのに、妻にプロポーズまでしてしまいました。株も以前より買ってもらえるようにもなりましたね。21歳で、しかももっと若く見えるにもかかわらず、です。
自分の中にあるものは、決して他の誰にも奪えません。そして、誰もがまだ眠れる力を秘めているのです。自分の才能を伸ばすことで、その潜在能力を10%、20%、30%と高めることができれば、誰もそれに“課税”などできないわけです。“インフレーション”で目減りするようなこともありません。
終生、あなただけのものなのです。
12. ジェフ・ベゾス/アマゾン・ドット・コム創業者兼CEO
透明性と口コミによって、消費者が驚異的な力を持てるようになりました。私たちはそうした時代の過渡期にいます。昔は優れたマーケティングさえすれば、いまいちな商品でも市場を支配できたものです。今日ではすぐに情報が広がるので消費者はサービスや商品の良し悪しがわかります。マーケティングの観点から言えば、「宣伝」という企業にとっては大変な仕事を消費者が自らしてくれるのです。これは消費者にとっても、企業と社会全体にとってもいいことですよ。
13. マーク・ベニオフ/セールスフォース・ドットコムCEO
私たちが生きているのはロボット工学や遺伝学、幹細胞、自動運転車、AIの発展による第4次産業革命の時代です。生活はドラマチックに変わっていくでしょう。私たちは初心にかえってこれから起こることについて考える必要があります。初心から生まれるアイデアこそがイノベーションの核なのです。適応力を失ってしまうと、過去にとらわれて動けなくなります。もはや、現在を生きていないということですから。