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2018.03.15

築くべきは「友情」でなく「信頼」 職場での関係構築6か条

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「ゲーブとの付き合いは、私が社会人になったばかりの頃、職場の席が近かったことから始まった」。生命再保険会社の元同僚、ゲーブについてこう語るのは、米保険技術サービス提供企業ストーンリバー(StoneRiver)のジョアン・コリンズ副社長(関係管理担当)だ。

「ゲーブは、私が電話で顧客と話したり、新入社員を助けたりしているのをよく漏れ聞いていた。彼はどちらかというと内向的だったので、私の関係構築のスキルや他者とのつながりをとても評価していた」

ゲーブは後にコリンズにとって、フィードバックをくれる信頼できる人物となった。「キャリアの初期段階で、ゲーブはとても良いアドバイスをくれた。彼は頻繁に私のところに来て、仕事の方針や人事関連の問題について見識を共有してくれた」

ゲーブは次々と昇進を重ね、出世の階段を上っていったが、2人の職場での関係は何年も続いた。「ゲーブが私の気づかないところで私の仕事ぶりを観察していたことが、私たちの信頼関係の基盤となった」とコリンズ。「彼は、私が出会った中で最高の上司になった。その後、私のメンターとなり、最終的には私の最初のスポンサーになってくれた」

この物語は、信頼関係を作る機会がもたらされる時期、その関係がキャリアに与える影響を事前に予測することは不可能だということを教えてくれる。

「上下関係や同僚との関係、社内外、プライベートや職場の関係など、全ての関係には信頼が必要。誰しも自分の意見を聞いてもらい、自分の重要性を感じたいと願っている」。しかし、信頼関係と友情は違う。

コリンズは「同僚が全員、友人になるとは限らない」と指摘する。友情が生まれればそれは素晴らしいことだが、職場で友人を作ることが最優先ではない。「何より重要なのは、正直さ、誠実さ、寛容さを基盤とした信頼関係を作ること」とコリンズは述べた。

意識して有意義に職場関係を構築することは仕事の一環で、おしゃべりな怠け者が業務を避けるために取る行動とは違う。これは本当の業務で、怠れば自分に向けられる仕事が増えるだけだ。

あらゆる機会を活用し、必要性を感じる前に関係構築を始めよう。「今のうちから時間を確保し、取り組むこと。締め切りがあるときや、何か必要なものがあるときだけ取り組んでもだめ」とコリンズは指摘する。
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翻訳・編集=出田静

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