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I cover REIT investing.

(Photo by Jack Taylor/Getty Images)

昨年9月に連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用を申請した米玩具販売大手トイザらスが再建を断念し、全店舗を閉鎖する方針であるとの観測が広がっている。米国の玩具業界にとっても、そして不動産業界にとっても、幸先の良い話ではない。

トイザらスが清算手続きに入れば、一部の企業(インターネット通販大手アマゾン・ドット・コムや大型量販店のウォルマート、ターゲットなど)は、恩恵を受けることになるだろう。だが、国内の商業用不動産市場には、大きな“穴”が生じることになる。

トイザらスが破産法の適用を申請したときから、多くの人は同社が再建を目指すものと考えてきた。同社もできる限り多くの店舗の営業を続ける方針を表明。経営陣も当初は、店舗閉鎖が最終的な着地点ではないと述べ、顧客の不安感を鎮めようとしていた。

だが、トイザらスは今年に入り、国内のおよそ800店舗のうち、約180店を閉鎖する計画を発表。100以上の店舗で閉店セールを開始していた(事業規模が大きい英国でも、店舗網の縮小を進めている)。

影響は広範囲に

同社が清算手続きに入れば、明らかに玩具業界には大きな影響が及ぶ。トイザらスが清算準備を開始する可能性があるとの報道を受け、同業のハズブロとマテルの株価は、3月9日までの5日間に大きく値下がりした。

だが、影響を受けるのは商業用不動産市場も同様だ。トイザらスの店舗は「ベビーザらス」として運営するものやショッピングモールに入居するアウトレット店も含め、大半がショッピング街にある大型店だ。

例えば筆者の地元であるサウスカロライナ州スパータンバーグにあるトイザらスの店舗は、国内最大規模の化粧品販売チェーン、アルタ・ビューティやギャップ傘下のオールドネイビーなどをはじめ、人気店ばかりが入居するショッピングセンターの中にある。そして、驚くことにこの施設に足を運ぶ客の大半は、トイザらスが目当ての家族連れだ。特に週末には、多くの家族連れが訪れる。

店舗が閉鎖されれば、ショッピングセンターを運営する事業者は至急、新たなテナントを探さなければならない。また、これまでトイザらスに通っていた家族連れは、すぐ近くにある小売大手のターゲットに頼ることになるだろう。

編集=木内涼子

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