小売広告でシェア8割、グーグルショッピングの圧倒的優位性

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米国の小売業者らは検索連動型広告の予算の76.4%を、グーグルショッピングに投じていることが判明した。さらに、クリックの85.3%がグーグルショッピングから発生していることも分かった。これは調査企業「Adthena」が、米国と英国の24万の業者が出稿した4000万件の広告を分析した結果だ。

「検索におけるグーグルショッピング広告の重要性は驚くべきものだ。モバイルとデスクトップの双方で、小売業者にとって最も重要な場所になっている」とAdthenaでマーケティング部門の副社長を務めるAshley Fletcherは声明で述べた。

グーグルショッピングの広告は単なるリンクではない。広告主が商品カタログをアップロードするような感覚で商品の情報を提供すると、関連する検索ワードに沿って商品の写真や商品名、価格、店舗名が表示され、在庫数まで示される場合もある(表示されるかどうかは、グーグルに支払った金額で決まる)。

訴求力の高いビジュアルで、タイムリーに表示される点が強力な武器になっている。アマゾンに対抗したい小売業者にとって、グーグルショッピング広告は重要なツールだとAdthenaは指摘する。

「Eコマース市場では2017年にアマゾンが売り上げの半分近くを占めた。小売業者はあらゆる手段を使ってマーケットシェアを取り戻そうとしている。商品リスティング広告は優れた実績を誇っており、広告主のサイトを認識させて、そこで買い物をしてもらうことにつながる」とFletcherは述べた。

グーグルのほかに注目すべきなのがフェイスブックだ。グーグルとフェイスブックを合わせると、2017年の米国の全デジタル広告の出稿費用の73%を占めており、この数字は伸びる一方だと見られている。

その中でグーグルに比べて若くてシェアも小さなフェイスブックが追い上げを見せている。グーグルの成長率が前年比18%だったのに対し、フェイスブックの年間成長率は60%近くに達した。

しかし、検索分野で支配的地位を持つグーグルは、人々が欲しがるもののデータベースである「インテント・グラフ」を握っているため、商品広告を出すのに最適な場所になっている。

フェイスブックの場合は人間関係を示す「ソーシャル・グラフ」を握っているが、そこからは近いうちに商品を購入する意思は分かりづらい。ここにグーグルの優位性があるのだ。

そしてEコマースの次の流れとして期待されるのが「ボイス」だ。グーグルホームやアマゾンの「エコー」を持っている人の22%が声で商品を注文している。Vコマース(ボイスのEコマース)の市場規模はアメリカだけでも57兆ドル(約6000兆円)と見られている。この分野にもグーグルは膨大なリソースを投入しようとしている。

「グーグルは近々、アドワーズでスマートスピーカーをターゲットとした広告キャンペーンを行うだろう」とFletcherは述べた。

編集=上田裕資

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