一方、サプライチェーンを構成する企業各社の間にも、金融業界と同様の企業間のつながりがある。例えば、製品を工場から出荷し店舗の棚に並べるまでに関与する各社間のコミュニケーションが必要だ。ブロックチェーンは多数の企業をつなぐ信頼し得るシステムとして、機能することができる。
また、個人のアイデンティティに関連する分野では、国連のプロジェクト「ID2020」に参加。世界中におよそ10億人いるとされる公的な身分証明書を持たない人たちの支援に協力している。そのほか、サービスを利用するたびに個人情報を提供しなければならないことなど、顧客サービスに関連した数々の問題の解決も目指している。
有益な事業
特定の人たちのみが利用するブロックチェーン技術が有効な分野の中には、そのシステムが中央集権型になるものも、分散型になるものもある。
米国証券保管振替機関(DTCC)のような一つの組織がすでに信任を得た機関として機能している場合には、ブロックチェーンはその組織の中心的な役割の維持と、インフラの近代化を支援することができる。一方、世界の保険・再保険会社15社が協力する「B3i((ブロックチェーン保険イニシアチブ)」など、業界内における取引の効率化を目指し、新たにつくり出されたモデルもある。
アクセンチュアはどちらのモデルについても中心的な存在として、ブロックチェーンシステム構築の支援と技術・ガバナンスに関する問題についての支援を行い、利益を得ることができる。トリートは、「独立した立場の関係者が中心にいることは、非常に有益だ」と話している。