職場でこそ実践したい「恩送り」 簡単にできる3つの方法

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人から褒め言葉や予期せぬ贈り物をもらうと、私はすぐに幸せな気分になる。先日、同じ街に住んでいる友人からはがきが郵送されてきた。その理由は、ただ単に「送りたくなったから」とのこと。その優しい行動に触発され、私は思いやりを持った1日を送ることができた。

米国では「ペイ・イット・フォワード(恩送り)」の哲学が広く知られている。善い行いを人から人へと回していくことで前向きな空気を広げ、最終的には思いやりのある社会を作ることができるからだ。

人生は、与えることと受け取ることの連続だ。世界を共感力のある人間で満たしていくには、感謝の気持ちを表現することが極めて重要となる。過去に行われた研究からは、感謝の心が人の健康や幸せ、社会的つながりに大きく貢献することが分かっている。

変化を起こすため、普段と全く異なる場所に出向く必要はない。実は「ペイ・イット・フォワード」を始めるのに最適なのは職場だ。ちょっとした行動で同僚との関係が改善し、相手も同じような行動を取りたいと思うようになる。

職場で「ペイ・イット・フォワード」を実践するため、まずは次の3つの行動から始めよう。

1. 感謝の気持ちを示す

「従業員感謝デー」や「ボスの日」でなくとも、他者の努力を認めることは可能だ。相手の頑張りに気付いていることを知らせてあげよう。昼休憩中、近くの席の同僚にコーヒーを注いであげたり、同僚の行動に励まされて頑張ろうと思ったことについて話したりしても良い。また、上司に感謝してはいけないというルールもない。ただし、こびへつらっているだけと思われないよう注意しよう。

2. 支援の手を差し伸べる

人の心を読むことはできない。作業量の多さに圧倒されているときでも幸せな表情を浮かべている人は多い。残業ばかりの人や長期間休暇を取っていない人を探し、締め切りに間に合わせたりプロジェクトに取り組んだりする上で、自分にできることがないか聞いてみよう。余裕があれば、手伝ってあげること。相手は自分の努力が評価されたと感じ、次はあなたを助けてくれるかもしれない。こうして支援の輪は循環していく。

3. 昼食に誘う

職場では、他から隔離されたルーティン業務ばかりになることも多い。ひっそりと自分の仕事だけ終わらせ退社する生活は一見楽に思えるかもしれないが、長期的には健康に悪影響を及ぼす。その流れを断つため、同僚を数人昼食に誘ってみよう。場所を変えるだけで創造性が刺激され、他者と交流する時間を作ることで嫌な1日を送る確率が減る。

米国人は、週に平均34時間を職場で過ごしている。「ペイ・イット・フォワード」の哲学を活用し、その時間をさらに貴重なものにすれば、同僚もそれを模範とするはずだ。あなたが努力を始めれば、他者が加わり、継続的な効果が生まれる。

翻訳・編集=出田静

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