上海で披露された新生ブライトリングの新作「ナビタイマー 8」

新作「ナビタイマー8」




アイコンモデルの新作がお目見え


上海でのイベントには、そんな歴史を重々承知な時計関係者がアジア各国から約350人招待された。日本からもメディア関係者、ディストリビュータなど約50人が参加。新しいブライトリングの門出を見守ったのである。

そして、29日のガラディナーの会場で華々しく発表されたのは、同社の顔ともいうべき人気コレクション「ナビタイマー」。新作を見た瞬間、“あのナビタイマーが変わってしまったのか”と思ったのだが、この新作は「ナビタイマー 8」であって、これまでの「ナビタイマー」とは違うモデルだという。

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新作「ナビタイマー8」

モデル名となった「8」は、軍民両用のコクピット計器やクラシックなパイロットウォッチを製造するために、1938年に設立された8(ユイット)・アビエーション部門に由来するという。つまり、その原型は、現行「ナビタイマー」よりも古いものなのだ。

デザインを手掛けたクリエイティブ・ディレクターのギー・ボーベ氏は、「ブランドの未来を賭けたヴィジョンに沿って、20世紀初頭から中期にかけて創られた偉大なブライトリングの栄誉を称える時計を造り出したいと思い、製作したのが『ナビタイマー 8』なのです」という。

ヘリテージを再解釈する

翌日には、4つのテーマでワークショップを実施。新作の説明とともに、ヴィンテージ・ブライトリングのコレクター、フレッド・マンデルバウム氏の貴重な歴史的コレクションが披露され、ブライトリングがいかに素晴らしい遺産を有しているか、ということを再認識させられた。

新生ブライトリングの新CEOに就任したジョージ・カーン氏も、まずその歴史に目を向けたという。

「私はまずブランドのヘリテージを調べた。すると、ブライトリングは以前から空以外のフィールドにも深くかかわっていたことが分かった。50年代には『スーパーオーシャン』というダイバーズウオッチを発表している。宇宙に初めて行ったクロノグラフもブライトリングのものだ。マイルス・デイビスが愛用していたり、ジェームズ・ボンドの腕にも巻かれている。F1パイロットの愛用者も多い。女性向けのスポーツウォッチでの成功例もある」など、今後ヘリテージの積極的活用を示唆する発言をしている。


ブライトリングの新CEO、ジョージ・カーン

ブライトリングは今後、陸海空それぞれのエリアで商品群を再構築し、“クールでありながらインフォーマルといったイメージ”を目指すという。

ジョージ・カーン氏は、IWCのCEOを約15年間務めてきた時計界のビッグネームのひとり。彼のリーダーシップによって切り開かれるブライトリングの未来は果たしてどんなものになるのか。この先の展開が楽しみになる幕開けだった。

文=福留 亮司

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