米モンサント、農業向け「データサイエンス技術」強化の動き

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米国の農業分野ではビッグデータやマシンラーニング技術の導入が始まっている──。ミズーリ州本拠の多国籍バイオ化学メーカー「モンサント」は、AIソフトウェアのスタートアップ「Datarobot」と提携し、研究開発を進めている。

2012年設立のDatarobotは、数千にも及ぶオープンソース・アルゴリズムを用い、プログラミングの知識がなくとも利用できるソフトウェアプラットフォームを開発した。同社VPのGreg Michaelsonは次のように述べる。

「農業の現場で課題に直面している人々が、アルゴリズムに対する深い知見がなくとも利用できるAIソリューションを開発した」

これはバイオや化学分野のエキスパートにとっても、非常に魅力的なプロダクトといえる。モンサントのデータサイエンス部門長のNaveen Singlaは「ビッグデータ解析の知識がない人でも、自分の専門領域にテクノロジーを活用することが可能になる」と話した。

DatarobotのAIとマシンラーニング技術は、モンサントのデータサイエンティストらにとっても有用なものになる。膨大なデータを解析するツールを、スクラッチから開発する手間を省くことができるからだ。

「Datarobotのテクノロジーには豊富なアルゴリズムが前もって用意されており、様々な場面に即座に適用可能だ。この技術は農業分野で働く人々の大きな助けになる」とSinglaは述べた。

モンサントのデジタル戦略アライアンス部門長のAnthony Randallによると、同社はDatarobotの技術を用い、種苗の育成を行うモデルを開発中だという。さらにサプライチェーンの計画や製造プロセスに用いるソフトの開発も行っている。

「Datarobotのテクノロジーを利用して、顧客に適切なタイミングで適切なメッセージを発することが可能になる。我が社のIT部門でもこのテクノロジーを活用し、ネットワークの負荷が急激に高まるタイミングなどを予測している」とRandallは述べた。

編集=上田裕資

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