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I write about management in its many forms.

Monkey Business Images / shutterstock.com

この考え方は先日、私の元同僚がリンクトインのメッセージで教えてくれたものだ。私は最近、共感力がマネジメントに与える影響についての記事を執筆しており、彼はそれについて示唆に富んだコメントを送ってくれた。

「素晴らしい記事ですね。私はかつて、素晴らしく有能なリーダーの元で働いたことがあります。入社時、彼女から成功の秘訣(ひけつ)として『業務はたった10%、人が90%と覚えておくように』と助言されました」

マネジメントのバランス

この「10対90」の考え方、他の人だったらどう考えるだろうか。

私の考えを言わせてもらえば、マネジメントにバランスが要求されるのは確かだ。技術的専門性(10%の「業務」の要素)が必要なのも間違いない。管理する分野で安定した能力を発揮できなければ、部下から支持が得られず、管理職としての成功が阻まれるかもしれない。部下から尊敬を得るには、どんな分野であれ、仕事についての深い知識を持つことが必要だ。

その一方で、「人」の要素も必要だ。マネジメントの中核はやはり、他者を通じて業務を遂行することだからだ。協働し、人にやる気を与え、生産的な職場関係を形成するなど、他者と働く一定水準の能力が必要になる。部下が毎日職場に戻ってきて、同じことを繰り返し行う意欲を持つようにしなければならない。

技術力は満足も、人間力は不足

私が「人」重視のマネジメント側に偏りがちだというのは周知の事実だ。私はキャリアの中で、技術的能力は非常に優れているものの、対人スキルが弱い人を採用した例を数多く見てきた。こうしたケースは後々、問題となることがほとんどだった。マネジャーが部下との関係をうまく築けないと、コミュニケーションや評価、やる気、士気、そして最終的には生産性と離職率の問題につながることが多い。

それでは、この10対90という比重は正しいのだろうか? それとも20対80、30対70、あるいは5対95が正しいのか。これはおそらく答えの出せない問題だろう。「人」の比重は50よりも大きくなるとは思うが、仕事や事業の内容によっても変わるため、はっきりとした数字を述べることは非常に難しい。

ただ、現代マネジメントの父と称されるピーター・ドラッカーはかつて次のように記した。私はこれを100%支持している。

「最も効果的に仕事をするリーダーは、『私』という言葉を決して使わないように思える。これは、『私』と言わないよう自己訓練したからではなく、『私たち』や『チーム』の視点で考えるからだ。自分の仕事はチームを機能させることだと理解している。責任を避けることなく受け入れるが、評価されるのは『私たち』だ。これにより信頼が生まれ、業務を完了することができる」

少し言葉は違うかもしれないが、このドラッカーの考えは、私の元同僚の優秀な元上司が口にした「10対90」の考え方に近いように思える。

編集=遠藤宗生

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