しかし、こうしたニーズは銀行が満たすべきというルールはない。適切なインフラを持ち、許可を得た会社であれば、どこでもこのサービスを提供できる。その意味では、世界最大の電子商取引サイトを抱える企業ほど適した会社があるだろうか? これこそ、アマゾンが大手銀行として間もなくビジネスを開始し得る理由だ。
運との闘い
企業にとって大事なのは、顧客が自社の製品・サービスを利用して片付けようとしている用事が何かを理解すること。顧客が考えるのは業界ではなく、生活の中で終わらせたい用事だ。そのため、銀行の競合企業は必ずしも他行ではない。顧客が用事を片付けるのを効率的かつ信頼の置ける形で支援する企業全てが競争相手となる。
顧客が片付けたい用事さえ理解すれば、競合企業を見越して対策を立てることは十分可能だ。また、それに関連した分野でイノベーションを起こせば、より楽に競合企業に勝てるようになる。次に参入する大手銀行がアマゾンだったとしても、驚いてはいけない。