武器は「バイラルの力」
現状の売上シェアは海外が8割。母国の中国は2割程度という。
「この分野でも既に低価格競争が始まっている。生き残るためにはグローバル化が必須だ。Insta360は立ち上げの当初から海外のパートナーと組み、世界規模で市場を切り拓いてきた」
2016年、元DJIのリヒターがマーケティング主任に就任後、世界のインフルエンサーたちへの働きかけを活性化させている。リヒターが話す。
「先日はサッカー界のレジェンドのフランチェスコ・トッティにInsta360を使って自撮りを撮ってもらった。ポール・マッカートニーのライブのオープニングDJにも製品を使ってもらった。サーファーやスノーボーダーなど、アクションスポーツの有名選手にも製品を使ってもらい、SNSを中心に認知度を拡大していく。巨大な資本力を持たないスタートアップの武器はバイラルの力だ」
Insta360がモットーに掲げるのが「人生は短い、もっと楽しもう(Life is short, play more)」という言葉だ。平均年齢25歳のスタートアップが日常の周囲360度全てを収めるビジュアルで今、世界のソーシャルメディアを席巻しようとしている。