ビジネス

2018.03.08

中国で激化の「中古車Eコマース」 テンセントら870億円を出資

Tom Wang / shutterstock.com

中国ではここ数年、自動車販売の分野にも大きな変化が訪れている。新たなトレンドは新車に限らず中古車販売の分野にも革新をもたらそうとしている。

自動車販売企業「Chehaoduo (车好多)」は先日、テンセントの主導で8億1800万ドル(約867億円)のシリーズC資金調達を行った。同社は個人間の中古車販売プラットフォームの「Guazi (瓜子二手车)」と、新車販売の「毛豆新车网(Maodou)」を傘下に持っている。

今回の巨額の出資は、中国の自動車販売分野における新たなトレンドを示している。Chehaoduoは人工知能(AI)やビッグデータを販売に活用し、米国の大手「Carmax」の3倍にものぼる台数の車をオンライン経由で販売している。

CheHaoDuoはデータを活用した販売により、需要が見込める台数を事前に買い取るビジネスモデルを展開する。Guaziは300万台の車両データと1億5000万人の車のオーナーのデータを保有し、"Guaziブレイン"と呼ばれるチームがデータ解析を行っている。

同社は独自のファイナンス部門も運営し、電話番号や国民IDナンバー等の情報から、瞬時に与信審査を行い、買い手にローンを提供する。CheHaoDuoはこれまで、データ収集に多大な投資を行っており、データサイエンス部門だけで20名のエンジニアを雇用している。

中国では近年、中古車販売市場での競争が激化している。昨年10月には中古車売買プラットフォームの「大搜车(SouChe.com)」が、アリババが主導する調達ラウンドで3億3500億ドル(約355億円)を調達していた。この分野での競争は今後、さらに加熱していきそうだ。

編集=上田裕資

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