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米マイクロソフトのサティア・ナデラ最高経営責任者(photo by Getty Images)

米マイクロソフトが、世界最大の年間売上高を誇るソフトウエア開発企業でいられる秘密は何だろう? 深い知識を持つソフトウエアエンジニアや優れたマーケティング部が理由だろうか?

いや、こうした要素はどこの競合他社にも存在する。同社が成功を続ける秘密は、サティア・ナデラ最高経営責任者(CEO)が持つ「思いやり」だ。

ナデラは先日、米CBSテレビのインタビューで、思いやりはビジネスに欠かせない要素だと語った。「私たちは、満たされていない、明確にされていない顧客ニーズに応えるビジネスを展開している。深い共感力、つまり他者の視点を持つ力なしには、この目的を果たし続けることはできない」

英語で「思いやり」や「同情」を意味する「コンパッション」は、「共に苦しむ」を意味するラテン語が由来で、何らかの形で傷つけられた人の痛みを共有することを指す。自分よりも裕福、幸せ、健康、容姿端麗な人に同情はしない。「オプラ・ウィンフリーのことを思うとつらい」などと言う人がいないのは、彼女が成功の極みにいるからだ。しかし状況が変化すれば、何百万もの人が彼女に同情するだろう。

「思いやり」を「哀れみ」と混同しないこと。マイクロソフトが目の不自由なアンジェラ・ミルズをプロダクト責任者に採用した理由は障害ではなく、視覚障害者支援アプリ「シーイングAI(Seeing AI)」という革新的な製品を市場に導入する能力があったからだ。

ナデラはミルズのような障害のある人が差別を受けている事実を認識し、この不平等を賢い方法で修正することを試みた。思いやりなどの徳を一つ備えているリーダーは、その他の徳(この場合は公平さ)も備えていることが多いことを示す良い例だ。

思いやりが生む利益

ナデラが思いやりのあるリーダーとして振舞うのは、業績向上のためではなく、それが彼という人物だからだ。おそらく常にこのような性格だったのだろうが、脳性まひの息子の存在が彼の道徳的な成長に重要な役割を果たしてきたことを公言し、「息子の目を通して世界を見て、彼に対する自分の責任を認識することで、現在の私の大部分が形成されたと思う」と述べている。

だが、思いやりあるリーダーの下でマイクロソフトが業績と創造性の両面で優秀な成績を収めているのは、単なる偶然だろうか? そうではないだろう。ナデラを取材した米CBSテレビ「サンデーモーニング」の記者、デービッド・ポーグは「彼がCEOになってから、マイクロソフト株は倍以上に伸びている」と指摘。「同社が『革新的』と呼ばれるようになったのは、かなり久しぶりのことだ」と述べた。

ナデラは新著『Hit Refresh』で、思いやりのあるリーダーシップと成功との関係について記している。

編集=遠藤宗生

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