SNSのシェア件数が急減、コンテンツの「供給過多」が原因か

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ソーシャルネットワーク上でシェアされるコンテンツ数が急減していることが分かった。調査企業「BuzzSumo」はフェイスブックやツイッターなど、様々なSNSの投稿のシェア動向をまとめたレポートを発表した。

BuzzSumoは2017年に投稿された1億件のコンテンツを対象に調査を実施。その結果、投稿のシェア件数は2015年から半減しており、とりわけフェイスブックでのシェアが減っていることが明らかになった。

BuzzSumoはこのデータをもとにマーケティング担当者に次のように呼びかける。「3年前と同じコンテンツ戦略をとっていたら、効果は半減したことに気づくべきだ」

シェアが減った最も大きな原因の一つは、コンテンツの量が増えすぎたことだ。投稿の件数は毎年2倍の勢いで増え続け、供給が過剰な状況に陥った。

その一例としてBuzzSumoはビットコイン関連の投稿について指摘する。「2017年12月の時点で、毎週4万件以上のビットコイン絡みの投稿が掲載されるようになった。人気のコンテンツやトレンドのコンテンツもすぐに飽きられる傾向が強まっている」

さらに、フェイスブックのアルゴリズムの変更により、ブランドやパブリッシャーの投稿の影響力が低下したことも、シェア減少の主要な要因だとBuzzSumoは述べている。

調査企業「Parse.ly」のデータでも、フェイスブックがパブリッシャーに送出するトラフィック数は昨年、急減したことが判明している。2017年の初頭にはフェイスブックのトラフィックがグーグルを上回っていたが、今ではグーグルのトラフィックがフェイスブックの2倍に迫る勢いだ。

一方で、記事の内容と無関係な"釣りタイトル"で読者を誘う手法も威力を急激に低下させている。フェイスブックは昨年の夏に、釣りタイトルを用いる記事の追放をアナウンスしたが、BuzzSumoもその有効性を認めている。

「かつては、釣りタイトルで100万件以上のフェイスブックのエンゲージメントを獲得する記事が定期的に現れていた。しかし、直近の数か月のデータを見ると、釣りタイトルで20万件以上のインタラクションを起こした記事は、わずか2本にまで減少した」

バズフィードは2013年から2015年にかけて、200万シェアを突破する記事を度々送り出していた。しかし、2017年後半には、50万シェア超えの記事が半年で1本というペースに落ちた。

「コンテンツを用いてマーケティングを行う場合、クオリティを重視しないと生き残れない時代になった。ユーザーのシェアの傾向の変化を見ながら、より注意深くエンゲージメントの動向を見ていく必要がある」とBuzzSumoは述べている。

編集=上田裕資

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