「マインドフル」は逆効果? 科学が示す創造性向上のヒント

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私は、人間の創造性にとことん興味を持っている。私が広告業界にいる理由、アイデアを生む会社を起業した理由、どのようにすれば創造性を向上させられるかのヒントをくれそうな研究結果を探す理由も、まさにここに尽きる。

私はフォーブスで2013年以降、こうした非常に興味深い研究結果を紹介してきた。ここでは、興味をそそる新たな研究を4つ紹介する。

1. コーヒー+昼寝=創造性

午後に短時間昼寝をすることでエネルギーが高まり、頭がすっきりすることはすでに知っている人もいるかもしれない。脳が活発に動いた後は、アデノシンという眠気を生む化学物質が蓄積される。睡眠によりアデノシンが排出されるため、昼寝後は気分がすっきりする。

ある研究では、被験者が1杯のコーヒーを飲んだ直後に20分の昼寝をした。カフェインが体内で分解されるにはおよそ20分かかるため、目覚めと同時にその効果が表れることになる。結果、睡眠によりアデノシンを排出すると同時に、カフェインによって脳の注意力を高めることができた。

この研究では創造性レベルは測られなかったが、コーヒーを飲んで昼寝した人は、ただコーヒーだけ飲んだ人、昼寝だけした人と比べ、記憶力テストの結果が著しく向上した。記憶力は、創造プロセスの重要な要素だ。

2. 紅茶を飲んで創造性アップ

コーヒーと同様、創造性アップの効果があることを実証されている飲み物は紅茶だ。中国の北京大学で行われたある調査では、50人の被験者が2つの創造性測定の課題を行った。一つのグループは実験前に1杯の水を与えられ、もう一つのグループは温かい紅茶を1杯与えられた。

温かい紅茶を飲んだグループは、水を飲んだグループに比べ、両方の創造性測定課題ではるかに良い成績を収めた。これはカフェインの効果だったのか? この調査の特に興味深い点は、創造性テストが合計20分と非常に短時間だったことだ。カフェインの効果が出るまでには少なくとも20分かかるため、カフェインが原因ではなかった。

研究チームは、紅茶を飲むことでリラックスし、創造性アップに最適な状態になったと考えている。この点については、私は確信が持てない。この実験では、飲み物の温度や紅茶に含まれるカフェイン以外の物質など、他にもさまざまな要因が考えられるからだ。しかしそれが何であれ、私がこれから飲む紅茶の量は増えるだろう。
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編集=遠藤宗生

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