リップルで1千億円稼いだ「名門財閥」の御曹司、54歳の狂気

個人投資家 マシュー・メロン (Photo by John Lamparski/WireImage)

フォーブスが2月7日に発表した「世界の仮想通貨長者ランキング」で5位に入ったのが個人投資家のマシュー・メロンだ。メロンは米国のモルガン財閥やロックフェラー財閥と並ぶ名門として知られる「メロン財閥」ファミリーの出身。

メロン家は2016年のフォーブスの「米国で最もリッチなファミリー」ランキングで22位に入り、資産総額は115億ドル(約1.2兆円)とされた。

マシュー・メロンは1870年代にメロン商会やメロン銀行を創業したトーマス・メロンの直系の子孫にあたる。かつてニューヨーク共和党の財政委員会会長を務めたメロンは長年、オピオイド系鎮痛剤の依存症の克服に苦しんでいた。

そのため、メロンが仮想通貨分野への投資をはじめた際、家族は彼が薬物乱用者にありがちな誇大妄想に取り憑かれていると思い、投資をやめさせようとした。実際に、メロンは周囲の説得に応じるかたちで初期に入手したビットコインの一部を手放していた。

その後、メロンを魅了したのはリップルが発行するトークンのXRPだった。彼は200万ドルの資金でXRPを購入した。彼がリップルを気に入ったのは、リップルが銀行や金融機関のプロジェクトに用いられる数少ない仮想通貨の一つだったからだ。

現在54歳のメロンは「仮想通貨は危険でダークなイメージで、反社会的な印象もあった」と述べる。「私は愛国主義者であり、金融の世界を肯定する人間だ。だからこそ、私はリップルに投資しようと思った」

現在、メロンが保有するXRPの価値をフォーブスは9億ドルから10億ドル(約960〜1070億円)と算定した。最近、離婚したメロンは月額家賃15万ドルのロサンゼルスの豪邸でパーティー三昧の日々を過している。

「10億ドルの資産をタダで手に入れたようなものだ。でも、私は誰も手を出そうとしなかった分野にただ一人、資金を投じることでこのリターンを得た」とメロンは話す。

「家族には気が狂ったと思われていた。でも、それは私の人生のホームランだった」

※本稿における仮想通貨の評価額は2018年1月19日時点のものとした。

編集=上田裕資

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