ビジネス

2018.03.12

仕事とゲームから探る「熱中」を構成する3つの要素

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こんにちは、ハヤカワ五味です。普段は課題解決型のアパレルブランドを3つと、2月23よりラフォーレ原宿に実店舗を運営するウツワの代表取締役をやっております。

元々、中学生時代からモノのオンライン販売でお小遣いを稼いでおり、今はそのままアパレル会社を運営していますが、とかくモノを売る時、複数人のスタッフを抱えて会社を経営する時、どちらも共通してモチベーションとの向き合い方が本当に大切だと実感します。

この連載では、モチベーションの管理について私が日々考えていることを書いていきます。普段考えていることが共有されることで、さらに深まったり、色々な補足や意見が聞けたりするのではないかとワクワクしています。初回は「ゲームは毎回楽しんで熱中できるのに、なぜ仕事はそうじゃないのか」というテーマ。

一般的に、ゲームのボス戦にチャレンジする場合、初回でクリアすることは難しく、数回、多い時は数十回とリトライすることは多々あります。そんな時でも、ゲームの場合は失敗してもナニクソの気持ちで、クリアするまで挑み続けることができます。

しかし、仕事の場合だとそうはいきません。失敗を恐れずに挑み続けることができる人はかなり少なく、そもそもたった1回の挑戦でさえも億劫になってしまい前に進めないことは、多くの人が経験のあることだと思います。

そこで、ゲームで遊ぶときのモチベーション構造を分析することで、多くの人にとってモチベーション管理が難しい仕事の条件をあぶり出し、普段の仕事を熱中しやすく、楽しみやすくする構造を考えてみました。

クリアできる目標設定

私が考える、熱中できるゲームを構成する要素は3つあります。まず1つ目は「クリアできる」ということ。さらに、クリア条件が明快かつギリギリ達成可能であることです。

事前の情報や準備が不要であっさり終わるゲームだったらつまらないし、絶対クリアできない仕組みになっているゲームだったらゲームをプレイすること自体諦めてしまいます。私は10年ほど前「メイドインワリオ」という10秒で終わるミニゲーム集に熱中していた時期がありましたが、その中に、クリア条件が全く分からないゲームがあり混乱した記憶が。良いゲームとは、「クリアしたときに達成感が得られ」て「クリア条件が明快」なゲームです。

これを仕事に置き換えてみます。誰にでもできて、しかもすぐに終わってしまう仕事を日々やっていても達成感や充実感、また自分の成長には繋がらずモチベーションは上がりませんし、自分の実力をはるかに超えた仕事には太刀打ちできず、同じくモチベーションは上がりづらい。同時に、任された仕事の目標や締め切りが抽象的であればあるほど、能動的に動くことは難しくなります。

さらにクリア条件が不明瞭なほど、自身の反省や振り返りよりも先に仕事や職場に対する理不尽さを覚えます。仕事に対してモチベーションが上がらない人は、往々にしてこの負のスパイラルに陥っていることが多いのではないかと思います。

全ての人が自発的にクリア条件を決められる訳ではないし、全ての仕事が明確に定量化できるものではありません。それを理解した上で、マネジメントの役割を担う人は、意識的に明快でギリギリクリア可能な目標設定を心がけることが重要です。
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文=ハヤカワ 五味

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