SNSマーケティングを社会学的に考える


では、なぜいまググることからタグることへのシフトが広まり始めているのでしょうか?色々な理由が挙げられると思いますが、ここでは中心的なものを3つ挙げてみましょう。

1. 情報源としての信頼性
私たちの調査でも、SNS上で最も信頼する情報発信者は「友人/知人」であるという結果が得られています。この情報洪水の時代において、身の回りの人々がシェアしているものを頼りにしようというユーザーの心理が強まりつつあります。

2. リアルタイム性
SNSは情報発信のハードルが低いため、ウェブサイトに比べて、更新頻度が高く、つねに新しい情報が湯水のように湧いて出てきます。言い換えれば、リアルタイム性があるのです。これが即時性/速さを第一とする現在のウェブの情報環境においてとても重要な意義を持ちます。

3. スクリーンのサイズ最適性
さらには、スマホになったことで情報の最適単位がウェブサイト(ページ)からSNS上のポストへ移ったということも考えられます。ずっとスクロールしていき、最後まで見なければ情報が完結しないというのは、いまのユーザーにとっては「負担」になりうるのです。(今回の主題とは異なるので詳述はしませんが、いまインスタグラムユーザーがフィードをスクロールするではなく、ストーリーズをタップすることでコンテンツを消費することに傾きつつあるのも、UX視点で非常に興味深い現象です)

インスタグラムのハッシュタグフォロー機能で、「#タグる」の重要性が高まる

そのようなユーザーの情報行動の変化もあってか、2017年12月にインスタグラムはハッシュタグフォローの機能を追加しました(ただし、ハッシュタグをフォローするという機能自体はTwitterが先んじて実装済です)。

いままではアカウントをフォローして、そのアカウントがシェアするものを見ていたのが、今後は「#パンケーキ」などテーマごとにシェアされたものをチェックするようになっていくのです。これは、ユーザーの関心のネットワークの総体たるインスタグラムの機能的特性に沿った、正しい方向性のアップデートだと感じます。

これによって「#タグる」のムーブメントはさらに広がっていくでしょうし、(僕を含めて)マーケティングに携わる人々は、2018年、ユーザーのタグり方により一層の注意を払う必要が出てくるはずです(ビジュアルコミュニケーション時代におけるソーシャルリスニングの重要性の高まりと認識しても良いでしょう)。

文=天野彬

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