業績を著しく損なう高離職率 人材引き留めのためすべきこと

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チームをうまく機能させる

人は誰しも、素晴らしいものに関わることを望んでおり、なにかに所属して、好意や信頼、尊敬の念を持てる人、志を同じくする人と一緒に働きたいものだ。これを実現するための条件を設定する責務を負うのがマネジャーだ。うまく機能しているチームは、信頼関係や共通の目的、明確なアイデンティティーなどを持っている。先ほど述べた、戻らなければいけない「人」と「もの」の要素もまた、必要な条件だ。

率直な会話をする

私はかつて「一つのチームとして勝つ」ことについてスピーチしたことがある。その後、聴衆から受けた質問の一つは「チームの中で、単に参加意欲がないように思える人がいたら、どのようにやる気を引き出せば良いでしょうか」だった。

私は「参加意欲が『ないように思える』とおっしゃいましたが、そのことについて本人とは話しましたか?」と聞いた。質問者は「いや、話していません」と答えた。

これではだめだ。こうした会話は特に難しいものではない。こちらからうまく質問を投げかければ、こうした会話を通して情報を得ることができるし、そうすべきだ。

チームを機能させることに第一に取り組む理由は、チームが機能するには信頼や共通の目的、相互責任が必要となるからだ。こうした「ソフト」な要素が存在しなければ、ただの意思疎通ではなく相手と「つながる」ような高度な会話が実現できる可能性は低くなる。こうした会話ができなければ、従業員が意欲を燃やすことや目標に関して貴重な見識を得られず、競合企業に人材を奪われてしまう。

部下の人間的な側面をうまく活用すれば、従業員のエンゲージメントや生産性は自然に向上する。

編集=遠藤宗生

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