業績を著しく損なう高離職率 人材引き留めのためすべきこと

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私が所属していた米海軍特殊部隊「ネイビーシールズ」では、優秀な隊員を殉職で失うことが多かった。私がいたレベルでは、優秀な隊員が自発的に「もううんざり」と言うことはほとんどなかった。だが、そうした例は実際にあった──それは私だ。

顧客指導や講演で私の経験を共有すると、常に聞かれる質問が2つある。1つ目は、作戦中に何度も撃たれ、パラシュートの故障から4回生還するなどの困難を経験しつつも、部隊に戻り続けた理由は、というもの。2つ目は、どのようにそれをやってのけたかだ。

「シールズの隊員としてすべきことだったから」というのが答えではない。私が戦場に戻り続けた理由とは、実は素晴らしいマネジャーであればすでに知っている2つのことだ。この2つを活用すれば、チームのエンゲージメント(関わり)を構築し、離職率を最小限に抑えることができる。この2つの要素とは次の通り。

1. その元に戻らなければいけない人がいる

職場の空気を全部吸い取ってしまうような不快な人物は、仕事をただの業務へと変えてしまう。こうした人たちは、毎日の業務から楽しみや情熱を奪い、何があっても避けたい退屈な仕事に変えてしまう。

2. その元に戻らなければいけないものがある

これは、元々入社や入隊を決めた目標や目的、そして業務を遂行することでもたらされる満足感のことだ。目標が変わった場合、マネジャーはチームが受ける影響を理解し、役割や責任、適性を改めて調整する義務を負う。

これこそ、人材を保持する上でマネジャーが多大な影響力を持つ理由だ。上司と部下が継続的に対話をしており、上司が部下を動かす原動力を理解していれば、部下は職場にとどまりたいと思うものだ。

ソーシャル・コラボレーション・ツールを提供する業務管理企業、ライク(Wrike)によると、従業員の離職によって米企業に生じる年間コストは1600億ドル(約17兆1000億円)に上る。優秀な社員は普通の社員に比べ、最大400%高い成績を出すため、人材流出によるコストは業績に深刻な脅威を与える。

社員の離職率を抑えるためにできることは次の通り。
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編集=遠藤宗生

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