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喰い改めよ!!

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世界を見渡したときに有名なサラダが二つあります。シーザーサラダとニース風サラダです。ホテルやレストラン、カフェなどでは、必ずと言っていいほどこのどちらか、または両方がメニューに載っています。

そのひとつ、「サラダニソワーズ」と呼ばれるニース風サラダは、さまざまな食材を組み合わせたサラダで、マグロやアンチョビ、オリーブといった大人の好きな食材がたくさん入っています。“ニース風”とは、トマト・アンチョビ・ニンニク・オリーブオイルが使われていることを意味します。

そのサラダがなぜ世界中で愛されているのか。レシピから食材の成分とその役割を調べていくと、生野菜と保存食がベースになったこのサラダがいかにバランスが良く、栄養面で優れているかが見えてきます。

サラダニソワーズ(Salade Nicoise)
・トマト ─ アミノ酸・グルタミン酸
・ネギ ─ アミノ酸・グルタミン酸
・卵 ─ 必須アミノ酸
・ソラマメ ─ ビタミンB1.B2
・パプリカ ─ ビタミンC
・マグロ ─ イノシン酸(保存食)
・塩漬けアンチョビ ─ イノシン酸(発酵食品)
・ニース産オリーブ ─ アミノ酸(保存食)
・バジリコ ─ (薬味)
・ラディッシュ ─ ジアスターゼ
・オリーブオイル ─ グルタミン酸
・塩、コショウ

アミノ酸:アミノ酸が重要な理由は、体の血管や内臓、皮膚、筋肉などのもとになるタンパク質を構成しているのがアミノ酸だからです。食べたものを消化したり、呼吸したりできるのも、アミノ酸のおかげ。人間の生命活動を支えるためにとても大切な働きを担っています。

グルタミン酸:グルタミン酸は体内で合成することができる非必須アミノ酸の一種で、リラックス成分であるGABA(ギャバ)を生成します。アンモニアを解毒し、尿の排出を促進する効果や脳の機能を活性化する効果があります。人間が初めて口にする母乳には、グルタミン酸が非常に多く含まれています。

必須アミノ酸:タンパク質を構成するのは20種類のアミノ酸のうち、体にとって必要不可欠で食事からとらなければならない8種類のことを「必須アミノ酸」と言います。卵にはこの必須アミノ酸がバランスよく含まれており、免疫力をアップしてくれます。

ビタミンB1.B2:「疲労回復のビタミン」とよばれ、炭水化物をエネルギーに変える働きをするのがビタミンB1、脂質やタンパク質をエネルギーに変えるのがビタミンB2です。ビタミンB1には、疲労物質である乳酸が体に溜まるのを防ぐ働きもあります。

ビタミンC:風邪の予防や疲労の回復、肌荒れなどに効果があります。

イノシン酸:煮干し、さば、かつお節、豚肉などに多く含まれる、うま味成分のひとつ。イノシン酸はDNAの材料となり、体内に入ると細胞が活性化され新陳代謝が促進され、さまざまな効果をもたらしてくれます。

薬味:漢方薬において、薬方(処方)を構成する個々の生薬のこと。薬味の香りは食欲を増進させ、成分が素材の臭みの抑制と味を調整、殺菌作用で食中毒の予防、薬味と食材の相乗効果で風味がアップします。

ジアスターゼ:でんぷんの分解と吸収を助ける消化酵素で、胃腸の働きを助けて消化不良を解消したり、胃酸をコントロールして胃もたれや胸やけを防ぐ働きがあります。ジアスターゼは消化不良を改善する胃腸薬にも配合されています。

そして、大事なのが保存食と発酵食品。昔の人々が生き延びるために生み出したこれらの食品には、“うま味成分”が豊富に含まれています。うま味は料理を味わい深く、風味豊かにしてくれるので、塩など調味料の量を減らすことができます。また、うま味と言えばダシ、ダシと言えばお味噌汁のように、うま味を含んだ料理は人間をホッとさせてくれるもの。だからニース風サラダは、身体にも、心にも優しいサラダということができるのではないかと思います。

文=松嶋啓介

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