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Delpixel / shutterstock

米出版大手「アシェット・ブック・グループ(HBG)」が、オーディオブックをアナログのレコード盤にして発売するという、大胆な試みを始動した。

2月27日、アシェット傘下の「アシェット・オーディオ」は、米国のポストモダン文学の旗手とされる作家のデヴィッド・フォスター・ウォレスや、伝説的ロックバンド「グレイトフル・デッド」のリーダーを務めたジェリー・ガルシア、ミュージカル「ハミルトン」のクリエイターのリン・マニュエル・ミランダらのオーディオブックを、一連のレコードシリーズとして発売した。

近年はレコードの人気が高まり、米国では12年連続で売上が上昇。ニールセンの調査によると、2017年の米国のレコードのセールスは1432万枚を突破。前年の1310万枚から9%増となっていた。

アシェットはこのレコード人気にのって、オーディオブックをレコード化するという奇妙にも思える戦略に出た。発売されるタイトルは多岐にわたり、「セックス・ピストルズ」のギタリストのスティーブ・ジョーンズが2016年に発売した、パンクロック全盛期の舞台裏を記した自伝「Lonely Boy」なども含まれている。

アシェットの親会社の「アシェット・リーブル」は2016年に、ゲームアプリの「Peak」を買収するなど、多様な分野に進出を図っている。同社CEOのArnaud Nourryは先日のメディアの取材に対し、電子書籍やオーディオブックの分野には、新たなテクノロジーに向けた投資が必要だと述べていた。

今回のオーディオブックのアナログ化の動きは、一見するとそれとは全く正反対の動きにも思える。しかし、トレンドに合致するフォーマットでコンテンツを提供するという意味においては、これもまた新たなイノベーションと呼べるのかもしれない。

編集=上田裕資

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