セクストをやり取りする「セクスティング」に関する新たな研究結果が2月26日、米国医師会(AMA)発行の医学誌「JAMA小児科学」に発表された。過去の研究結果に基づくレビュー論文であり、対象とした研究は、2009~2016年に発表された39件だ。調査対象者は12~17歳の11万380人になる。
これらの研究のうち34件は、セクストを送信したことがある10代の男女の人数について調査していた。また、受信したことがある人数について調べたものは20件、送信者の同意なしに転送したことがある人と転送されたことがある人について調べたものは、それぞれ5件、4件だった。
明らかになったこと
レビューの結果によって明らかになったのは、10代の子供~若者たちの間では2009年以降、セクスティングが増加していることだ。携帯電話を所有する若者や使用頻度が増えていることを考えれば、これも意外な結果ではないだろう(セクスティングにはパソコンも使用されているが、大半は携帯電話が使われている)。
より懸念すべき重大な点と考えられるのは、10代の若者の12%が送信者の許可なくテキストを転送したことがあり、8%が自分の送信したセクストを転送されたことがあるということだ。
新たに発表された論文の著者らは、「画像を送信するよう圧力をかけられた場合、または受信した場合に受ける精神的苦痛などのリスクがある。画像が拡散されれば、苦痛や恥ずかしさは一層大きなものになる」として、セクスティングのリスクを指摘している。
多くの不明点
10代の若者たちのセクスティングについて、大人たちはほとんど何も知らない。12歳未満の子供たちのセクスティングについて調査した研究は、2010~11年に行われた1件のみだ。このデジタル時代においては、1世紀前の研究と言ってもいいかもしれない。
12歳未満の子供たちの間にどれほどセクスティングが広まっているのかという点は、特に重要だ。著者らによれば、「10代の人間関係は一時的なものになる場合が多い。そのため、同意なしでのセクストの転送が起きる可能性が高くなり得る」という。また、「経験的知識に乏しい子供たちは特に、セクストーション(ヌード画像や動画などを使った脅迫や恐喝)の被害にも遭いやすい」。