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2018.03.01 11:00

アマゾンが1170億円で買収、次世代ドアホン「リング」の成功秘話

courtesy of Ring

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米紙ニューヨーク・タイムズが報じたところによると、米国のモニター付きドアホン市場をほぼ独占する米ホームセキュリティー機器企業リング(Ring)が、アマゾン・ドット・コムに11億ドル(約1170億円)で身売りすることになった。創業者のジェイミー・シミノフ(41)は買収について「これ以上ないほど満足している」と話している。

シミノフは取引の公式合意前に詳細を公表することを拒んだが、アマゾンはザッポスやオーディブルの買収時と同様、リングの一部要素をアマゾンの製品(アレクサなど)と統合することが予想される。アレクサはすでに、リング製品に指示を送信する機能を搭載している。

リングの広報担当者によると、アマゾンはリングの独立運営をほぼ維持する方針だ。シミノフは同社の最高経営責任者(CEO)として残る予定。

この買収により、シミノフの保有資産が10億ドルを超えることはなく、彼はビリオネアにはならない見通しだ。リングはすでに複数回調達した資金を使い果たしており、投資資本は2億900万ドル(約220億円)、シミノフの持ち株は10%となっている。シミノフは3月までに3億ドル(約320億円)を調達し、同社の企業価値は10億ドル(約1070億円)となる予定だったが、アマゾンの買収により無効となった。

市場調査企業のNPDグループによると、リングは昨年、米国のモニター付きドアホンのシェアの97%を獲得。ドアホンに装備された小さなカメラを通し、ユーザーは携帯のアプリ上でリアルタイムの映像を見ることができる。しかし今年になり、複数の模倣製品が市場に投入された。一部は警備会社の製品だが、グーグルやアマゾンの所有するブランドの製品もある。

アマゾンは昨年12月、ワイヤレスの家庭用監視カメラを製造するブリンク(Blink)を買収しており、今後数か月以内には99ドル(約1万円)のモニター付きドアホンを投入する計画だった。これはリングが提供する最安値のドアホンを80ドル(約8500円)下回る。

リングは、ドアホン以外の事業にも手を広げており、モニターやスピーカー、LEDライト、サイレン機能を備えるモーションセンサー付き暗視カメラが売り上げの半分を占めている。これにより、同社の2017年の売り上げは、2016年の1億7000万ドル(約180億円)の2倍以上となる4億1500万ドル(約440億円)を記録した。
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編集=遠藤宗生

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