JDの発表文によれば、新設するアクセラレーター「AI Catapult(AIカタパルト)」は北京に拠点を置き、スタートアップが開発した技術の実社会への適用とその規模に関する試験を行う。
プログラムに参加するスタートアップには、中国のフィンテック企業Bankorous、仮想通貨を発行するオーストラリアのCanYa、ブロックチェーンをベースとしたデータベースサービスを提供するシンガポールのBluezelle、ECサイトの決済システムを開発する英Nuggets、ブロックチェーン技術に基づいたオープンソースの製品認証プロトコルを開発するDeveryなどが含まれる。
AIカタパルトはまた、JDのAI研究部門を支援。スケーラビリティやセキュリティ、プライバシー、効率性、エネルギー消費などの分野において、ブロックチェーン技術の向上につながるAIの活用方法の特定を目指す。JDはこれについて、「ビジネスだけでなく、社会にもプラスの影響をもたらすことになるだろう」と述べている。
JDはこれまでにも、米スタンフォード人工知能研究所(SAIL)と「SAIL JD AIリサーチ・インスティテュート」を開設、共同プロジェクトを推進している。また、2017年12月にはIBMとウォルマート、中国・清華大学とともに中国国内での食品の安全性向上を目指す「Blockchain Food Safety Alliance(ブロックチェーン・フードセーフティ・アライアンス)」を締結した。ウォルマートとJDは2016年に、戦略的パートナーシップを締結している。
およそ2億6600万人の顧客を擁するJDは今後、商業・戦略・研究におけるパートナーシップを通じて、AIとブロックチェーンのエコシステムの強化に向けた投資を行っていく方針だ。