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2018.03.01

全米1200名アンケートで見えた、ウーバーの運転手たちの本音

Odua Images / shutterstock.com

このところセクハラ問題や法廷闘争などのネガティブな話題ばかりのウーバーだが、ドライバーらの業務の満足度は向上していることが明らかになった。

ライドシェアで働く人向けのブログ「The Rideshare Guy」は先日、全米1200名のドライバーたちを対象としたアンケート調査結果を発表した。それによると、ウーバーのドライバーの58.2%が仕事に満足していると回答した。この数値は前年から9%の上昇となっている。

背景にはウーバーが「180 Days of Change」と名付けたキャンペーンを開始し、乗客からチップを貰える機能をアプリに追加したり、電話サポートを充実させたことがあげられる。

The Rideshare Guyを立ち上げたハリー・キャンベルは次のように話す。「チップ機能の追加や、きちんとつながる電話サポートが整備されたことで労働環境はずいぶん良くなった。もちろん、もっと改善してもらいたいポイントは他にもある。でも、とりあえずは良いスタートがきれたと思う」

さらに、キャンベルによると「ウーバーはほぼ毎年、ドライバーの賃金を引き下げてきたが、2017年は引き下げが実施されなかったことも歓迎された」という。

しかし、ウーバーもリフトも、ドライバーたちが賃金が低いと感じている点は同じだ。両社の賃金は時間あたり、ウーバーが平均16.93ドル。リフトが17.37ドルだという。これは諸経費を含めての金額だ。

今回の調査でドライバーたちの稼ぎは、経験によって変動することも分かった。1万件以上の乗車を達成したドライバーたちは、経験が少ないドライバーよりも1時間あたり5ドル多く稼げるという。

また、リフトで働く人々は全体的にウーバーよりも満足度が高いことも判明している。ウーバーのドライバーが一番不満に感じているのは、乗り合い乗車の「UberPOOL」で得られる収入についてだ。リフトの乗り合い乗車「Lyft Line」ではウーバーよりも、高い賃金を得られる。

乗り合い乗車の支払いに満足しているかという質問にイエスと回答したドライバーの割合は、ウーバーではわずか22%。リフトでは45.5%だった。

「多くのドライバーはまずウーバーで働いているが、かれらはウーバーが魅力的だとは思わない」とキャンベルは話した。実際、リフトを選ぶドライバーの増加が続いているという。

「同じことは乗客の側にも起こり得る。彼らにとっても、それがウーバーである必要はないのだ。リフトやその他の企業が、ウーバーのポジションを奪うのはそんなに難しいことではない」とキャンベルは続けた。

編集=上田裕資

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