ピンタレスト、IPOに向けて新人事 昨年は「損失1億ドル」報道も

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ピンタレストは2月27日、決済企業スクエアとグーグルで役員を務めたFrancoise Brougherを同社初のCOOとして迎えるとアナウンスした。ピンタレストは2019年にIPOを予定していると伝えられており、この人事は上場へ向けての準備の一貫と思われる。

ピンタレストの月間利用者は世界2億人を超えており、Broughtは今後、同社のグローバルな成長と広告ビジネスの拡大に注力していく。

Broughtは2013年から2017年まで、スクエアのビジネス部門を率い、同社の成長を牽引した。その以前にはグーグルのSMB部門のバイスプレジデントとして広告部門の発展を促進させた。彼女はフランスのカトリック技術大学のエンジニアリング部門を卒業後、1994年にハーバード・ビジネス・スクールでMBAを取得した。

設立8年のピンタレストの共同創業者でCEOのベン・シルバーマンは「我が社で初のCOOとして、Broughtを迎え入れたことに感激している。彼女はワールドクラスのビジネスリーダーで、シャープな戦略的思考能力を持つ人物だ。Broughtの力を借りて、我が社のミッションを強化していきたい」と述べた。

Broughtはシルバーマンの直属の部下となり、ピンタレストのサンフランシスコ本社で勤務する。

米国のテック業界では昨年、IPOを果たしたスナップが株価の低迷にあえいでいる。ピンタレストの上場に向けたスケジュールからは、同社が慎重に物事を進めようとしていることが伺える。

ニュースメディア「The Information」の報道によると、ピンタレストの2017年の売上は約4億9000万ドル(約526億円)だが、損失も1億ドルにのぼるという。ピンタレストの企業価値は以前、123億ドル(約1.3兆円)とされたが、同社は財務状況を明らかにしていない(スナップは2016年に5億ドル以上の赤字を計上した後に上場した)。ピンタレストは1200名以上の従業員を抱えている。

ピンタレストは新規ユーザーの獲得ペースを加速させており、サイト上には100万件以上のビジネスアカウントも存在する。同社は近年、グローバル展開に注力しており新規登録者の75%以上が米国外のユーザーだという。

報道によると、同社は年内に月間アクティブユーザー数(MAU)を3億人にまで伸ばし、2019年には4億人を見込んでいるという。ピンタレストはまた、モバイルと男性ユーザーの獲得に注力していくという。

ユーザーの約80%はモバイルからアクセスしており、男性会員のMAUは前年同月比で50%以上の伸びとなっていると同社は述べている。

編集=上田裕資

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