こういう時に、まず考えるべきは開催される場所だ。集まる人の顔ぶれわからなくても、会場やお店、食事のスタイルから、主催者はどんなおもてなしをしたいのか想像できる。
フォーマルなら“艶”を意識
たとえば、ホテルなどフォーマル度の高い場所で開催されるときは、エレガントなスタイルで出席したい。
エレガントとは押しなべて、ツルっとすべすべして“艶があること”だ。実は、服のシワをとるだけで品格を高めることができる。
日中の仕事で座っていた時間が長かったとき、パンツスタイルなら膝の裏、スカートにも横シワが入りやすい。それが明るいライトの下では影が強く出るため、着ている人を老けて疲れたようにみせる。特に立食の場合は、後ろ姿が丸見えになるが、後姿にくっきりついたシワは見落としがちだ。
しかしこれらのシワは、いよいよ出かける前に、着衣のままほんの少し水をつけて濡らすだけでうっすら軽くすることができる。長時間着ていた上着などは、霧吹きで水をかけておけば数分でシワは伸びる。
もしも、出かける前から予定がわかっていたら、女性なら最初からツルっとした素材のワンピースがおすすめだ。もしもパンツなら、化学繊維の入った生地である方がセンタークリースなどがとれにくく、柄は太めのストライプなどの方が、無地よりもシワが目立たなくなる。
カジュアルな場には"シワ"も有効
一方、たとえば、ワイワイしたレストランやガーデンも併設されたような場所でのカジュアルな食事会ではどうだろう。きちんとしすぎているのは、周りも自分も最後までリラックスできない。
カジュアル感を出すには、エレガントの逆で、服をゴワっと立体的に見せることがポイントになる。ジーンズでいえば、真新しいものを痛めて、ダメージジーンズにしてこなれ感を出すのと同じだ。シワは気にせずに、少し馴染んでいる方がかっこいい。
立体感をだすのは、シワだけではない。男性なら、ネクタイの結び目を大きく結びなおし、それをゆるめて締めれば、アクティブに見える。外してしまうのなら、上半身の間がぬけないように、ポケットにチーフを入れる。チーフの先をフワっと広げるクラッシュドスタイルなら花が開いたようで華やかになる。
女性は、カチっとしたスーツやジャケットでも、袖をすこしまくるだけでスポーティになる。衿の位置が高めのデザインなら、立てても不自然ではない。もともと、ジャケットの衿は詰襟のかたちで、立っていた。あわせてポケットのフラッペ(雨よけ・ふた)外にだせばバランスもよい。
とはいえ、仕事帰りの急な誘いでは、服が場違いでもとがめる主催者はいないだろう。私たち自身が、参加する気分を楽しめるようにするのがマナーだろう。