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編集者/ライター

サイレンが鳴り響くなか、炎に包まれた車が静まりかえった街路を通り抜けていく謎めいた光景。シュールな映像が夢と現実のかすかな境目とは何かを問いかけ、サイレンの音は緊張を演出する。キャンペーン動画のひとつ「Miraggio(ミラッジオ)」より。photo credit: Courtesy of Bottega Veneta


ボッテガ・ヴェネタによる2018年春夏シーズン向けの広告キャンペーンが2月に始動。<アート・オブ・コラボレーション>と銘打ち、デジタルファーストで展開する。


かつて、ラグジュアリーブランドの広告を手がけることは、フォトグラファーにとっての登竜門であり、一流の写真家を起用することでブランドからのメッセージは広告の枠を越えたアーティスティックな表現へと変容した。

現在でも、多くのブランドが著名なフォトグラファーを起用し、ブランドの世界観やメッセージを伝えようとしている。この伝統的な手法が根強く残るなか、ボッテガ・ヴェネタが2月にはじめた広告キャンペーンでは、動画というフォーマットを駆使したコミュニケーションを展開。まずはそのトレーラー動画をご覧いただきたい。



このキャンペーン動画『リフレクションズ』は、物事を異なる視点から見直す瞬間についてのアンソロジー作品。異なるレンズを通して、ひとつのストーリーがもつさまざまな側面を違った形に解釈する6つの映画のような映像作品だ。再生、時の逆光、そして再び繋がること。ボッテガ・ヴェネタのアイコンであるイントレチャートの編み込みのように、各エピソードのなかでは空気感や音楽、動きに、言葉にならない緊張が織り込まれている。

6つの作品は、シーズン中にさまざまなプラットフォームやパートナーを通じてリリースされ、ボッテガ・ヴェネタの2018年春夏シーズンのコレクションと、「ミステリー」「洗練」「建築」「センシュアリティ」「シュールレアリスム」というブランドの美的ビジョンの柱となる要素を体現。2月上旬に2作品、3月にさらに2作品、そして4月に最後の2作品が公開される。

この動画をディレクションしたのは、雑誌「ハーパース・バザー」、そして「ヴォーグ」といったファッション誌や、アンディー・ウォーホルによる「インタビュー」誌などでアートディレクターを務めたことで知られる伝説的クリエイティブ・ディレクターのファビアン・バロン。なぜ、従来の紙や写真をベースにしたコミュニケーションではなく、デジタル上による動画をキャンペーンの核にしたのか。バロンは言う。

「ひとつの理由は、ボッテガ・ヴェネタのようなブランドはストーリー性をより強く出すことが重要だと感じていたことです。そしてもう一つの理由は、最近特に成長が著しい動画は、静止画にはあまり興味を示さない新しい世代に対してブランドメッセージを伝える最善の方法だと考えたことです」

大規模なキャンペーンでフォトグラファーを入れなかったことはキャリアの中で初めてだとバロンは話す。

「いまの動画ブームを見ていると、MTVが始まった頃を思い出します。初期のミュージックビデオを見て“かっこいいな。女の子が5人写ってる。すごいな、ダンスもしている”なんて思ったものです。それがどんどん進化し、いまやその時代を記録する作品として位置づけられるようになりました。同じことがこれからのファッションと映像、あるいはブランドにも起きると感じています」

編集=青山鼓

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