ビジネス

2018.03.04

米ミレニアル世代とスロべニアに見る「起業家」としての共通点

RossHelen / shutterstock.com


得意分野で他者に勝る

スロベニアの人たちについて印象深い点は、品質に対するこだわりの強さだ。労働者の3分の2がサービス産業に従事するこの国の経済は、質の高い製品とサービスから成り立っている。人々はそれぞれの得意分野に集中し、質の高い仕事をすることで高く評価されている。特に、科学分野での世界的な貢献や、軽飛行機メーカーのピピストレル(Pipistrel)などが活躍するハイテク産業、自動車産業、スポーツイノベーションの分野などが注目されている。

この国の至るところで目にする仕事へのこだわりは、起業家精神に欠かせないもう一つの重要な資質を思い起こさせる。それは、何であれ自分が取り組むことにおいて、力を発揮しようとする意欲と決意だ。起業家精神とは、できる限り最良の製品やサービスを市場に届けるため、自分自身と提供するものに磨きをかけ、進化しようとする継続的なプロセスでもある。

スロベニアから学ぶべきこと

一方、スロベニアの人たちは、スローペースの生活を楽しんでいる。国の大きさや規模が、彼らにそうした気質をもたらしている。スロベニアは非常に小さい国だ。どこへ行くにも、移動にそれほど長い時間はかからない。もともと静かでシンプルな暮らしができる土地柄だ。

慌ただしく忙しい毎日を過ごしているとき、特に起業家たちの生活においては、時々自分が起業したきっかけについて振り返り、確認してみることが大切だ──経済的に、または個人的に、より自由になるためだったのだろうか?あるいは自分自身にチャンスを与えられるようになるため、生活の質を向上させるためだったのだろうか?

懸命に働くことは重要だ。だが、自分の成し遂げたことを祝い、味わうための時間を取ることも必要だ。

編集=木内涼子

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