ビジネス

2018.03.21

すずかん・ホリエモンが語る、「人材もシェアリング」する未来

第135回新春 全国経営者セミナーに登壇した堀江 貴文氏(左)、鈴木 寛氏(右)


鈴木:僕も、いま40くらいのプロジェクトをやっていますが、100%保証するような本当に雇っている人はいなくて、半分くらい支えている状況です。

堀江:シェアリングエコノミーというバズワードがありますが、これから人材もシェアリングの時代なんですよ。通常、人材のシェアリングというと会社のことばかり考えると思うのですが、家族とか結婚も多分そうなんです。最近、浮気の報道率が高いのは、恐らく一夫一婦制の結婚システムの末期症状なんですよ。

谷本:そこまでもシェアリング(笑)。でも、堀江さん、会社も結婚制度もそうですが、そうするとほんの一部の能力のある人や魅力ある人だけでの流動性になり、結局、全体的にはうまくいかないと思います。

堀江:それがまた違うんですよ。シェアリングエコノミーというのは、何にでも値段がつくんです。メルカリを見て下さい。たとえば今机の上にあるホテルのコースターでも値段がつく。人に関してもそう。最近人の値段を可視化、マネタイズするサービスのタイムバンクや、僕が関わっているVALUが出てきていますが、何もしていない無名のフリーターでも、100万、200万という値段がつくんです。

クラウドファンディングもそうですよね? キャンプファイヤーというクラウドファンディングサービスで、300円や500円でワンタッチで人を支援できる「polca(ポルカ)」というフレンドファンディングアプリを始めたんです。

たとえば、ホリエモン万博に大阪から参加したいとしましょう。そこで「六本木までの往復の交通費と宿代をカンパして下さい。どうしてもホリエモンに会いたいです。その総費用が3万円です」とあったとする。すると一人あたり500円の支援額だと割とすぐに集まるんです。僕は結構ポルカをポチってますし、こういうことが成り立っているんですよ。

谷本:お話を伺っていると、これからの時代、どこにも帰属しない人生を人々は送っていかなければならなそうに見える。それは一方で、非常に「自己責任」に寄る社会が生まれてしまって、人によっては相当苦しい時代になるという気がします。

鈴木:そういう時に、経済的に頼るということではないコミュニティとしての、ゼミのようなところが必要なんですよね。

谷本:人生100年時代という意味においても、学び直しの場、コミュニティが大切になりそうですね。


鈴木 寛氏

鈴木:僕が開講した私塾である「社会創発塾」もゼミです。堀江さんのHIUもそうでしょう? 僕は、22歳で学ぶのが終わりというのをやめたほうがいいと思っている。30歳からでもホリエモンゼミに入ればいいし、40になってもすずかんゼミに入ればいい。そういうところでつくった縁はわりと大事で、これからの人生で3回くらいそういう新しい友だちをつくるために学び直しをするべきだと思います。

もう、人生で30年間同じ仕事をするというのはありえない時代になっていると思うんです。僕はいま大学の教授という立場で、大学に戻るのが3回目なんです。そのたびに最先端の理論や技術を学べてとても勉強になるし、これらを使って世の中を変えていこうという人とも縁をつなぐことができて、とても刺激的です。こういう体験を皆さん、是非やったほうがいい。(後編に続く)


鈴木 寛氏◎東大卒業後、通産省入省。出向中、松下村塾に何度も通い、人材育成の重要性に目覚め、私塾を主宰。霞が関を飛び出し、大学教員、参議院議員、文科副大臣等を歴任。現在、東大教授、慶大教授、日本サッカー協会理事、社会創発塾塾長を兼務。

堀江 貴文氏◎ホリエモンの愛称で、起業を目指す若者たちから絶大な支持を受けている現代のカリスマ。東大在学中、オン・ザ・エッヂを設立。ホームページ製作などを通じ急成長。2004年ライブドアへ社名変更。 現在、SNS media&consultingファウンダー。

編集=フォーブス ジャパン編集部

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