フェイスブックが「世界にとって善き存在」になるには(後編)

spaxiax / Shutterstock.com


ペンシルベニア大学ウォートン校のキャサリン・ミルクマン准教授(行動経済学)は、フェイスブックがユーザーの生活向上という目標をしっかりと受け入れ、同社の利益よりも優先させることを提案している。ミルクマンは、フェイスブックのニュースフィードで見たものがユーザーの感情に影響することを示す過去の調査を指摘した。

同社の研究チームでさえ、ソーシャルメディアの使用法が良くも悪くもユーザーに影響することを認めている。プラスの効果としては、ソーシャルネットワークでの経験が患者の治療意欲向上や、慢性病予防、投票率増加につながることを示す研究もある。

ミルクマンがフェイスブックに贈るアドバイスは、最高レベルの行動科学研究結果を活用し、ユーザーがより良い決断を下して個人的成果を改善するための支援方法について仮説を立てた上で、A/Bテストのような厳密な科学的方法を用いてユーザーにとって真に有益なものとそうでないものを評価することだ。

また、フェイスブックはこうした取り組みについて透明性を持つべきだと語る。そうすれば、ソーシャルメディアが行動に与える影響やその仕組みについて、全世界が学べる。新たな科学的見識も生まれ、フェイスブックが発見した成功戦略を他で活用することもできる。同社の利益は最大にはならないかもしれないが、より大きな社会貢献ができるだろう。

責任を認め、礼儀正しい行動をユーザーに指導し、自己よりも他者を優先するようにフェイスブックを形作れば、アラン・ケイの警鐘に対処する第一歩になるかもしれない。

フェイスブックにとって短期的には負担となるかもしれないが(ザッカーバーグはその負担を受け入れる用意があると語っている)、この視点は最大限の社会貢献につながり得るものだ。

編集=遠藤宗生

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事