プレゼン発表者の67%が犯す大きな過ち

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プレゼンを順番通りに発表することを前提に練習したため、順番通りに進めたいと言う人もいるが、一つの方法でしかプレゼンできないようであれば、十分に準備したとは言えない。

コンサートのピアノ奏者が、壇上に上がる直前に曲順を変えるよう指示されたとしよう。バッハではなくショパンを最初に演奏するとしたら、混乱してうろたえてしまうだろうか。もちろんそうはならない。入念に準備を重ねた奏者は、曲順の変更に対応できる。

これこそ、発表者が本当に準備してきたのかどうかが試される瞬間だ。CEOが34枚目だけに興味があるとしたら、冷や汗をかかず34枚目に飛べるくらい資料を熟知しておかなければならない。会議室に入ってきたリーダーが、もし発表者が一番大切な質問に答えられたら、プロジェクトの資金援助を大幅に増やす用意があったとしたら? 求められている情報を与えるまで、何十枚ものスライドを本気で説明するだろうか?

プレゼンは問題解決のため、聞き手の疑問に答えるために存在することを忘れてはならない。これこそがプレゼンの目的だ。私たちがプレゼンをするのは、自己満足に浸るためやスライド作成の技術を見せつけるためではなく、他者を助けるためだ。聞き手には何か知りたいことや、学びたいことがあるのかもしれない。それが何であれ、聞き手が求める情報を与える準備をしておくべきだ。

スライド作成に多くの労力を費やしていて、順番通りに発表しさえすれば素晴らしいプレゼンになるのに、それを変えなければならないことで、心が痛むのも分かる。見た目も華やかなスライドで、アニメーションやビデオを挿入し、データもばっちり押さえているようなスライドだ。しかしここで私が聞きたいのは「誰も興味のない質問に答えるプレゼンは、果たしてプレゼンと言えるのか」だ。私の答えは「ノー」だ。

編集=遠藤宗生

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