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I write about bringing life to work and bringing work to life.

Elnur / shutterstock.com

私はある大学で講演したとき、入学事務局で働く若い男性と知り合った。彼は次のように話した。

「私は1年前にこの仕事に就きました。他にも1社から内定をもらっていましたが、給与の交渉で失敗しました。今の仕事の方が自分には合っていたので良いのですが──」。私は「どんな交渉をしたのか、ぜひ教えてください」と言った。

若者は次のように話した。「この会社からは、現職とほぼ同額の5万2000ドル(約550万円)を提示されました。それでも良かったのですが、当時の職場では2週間後に年次人事評価と昇給を控えていたので、増額を交渉してみようと思いました。採用責任者には『5万5000ドル(約590万円)ほどの給与をいただけるなら、今すぐにでも内定承諾書に署名します』と言いました」

採用責任者は何と答えたのだろう? 彼によると「それでは自分が増額に値すると考える適切な理由を教えてください。上司を説得する必要があるので、あなたの考えを聞かせてください」と言ったのだ。

「ここでぼろが出ました」と彼。「私は本当にばかなことを言いました。『私ほど、この職務に適した人物は見つかりません。これが、給料を3000ドル増やしていただく理由になるでしょう』と言ったのです」

「それがまずかったのですね」と私が言うと、「その通り」と彼。「採用責任者は『それは分かっていますよ。だからこそあなたに内定を出したのです。5万2000ドルの給与を受け入れていただけない場合は、採用を諦めるしかないでしょう』と言いました」

彼は次のように続けた。「その時点で、雰囲気がなんとなくおかしくなりました。私はこの大学からも内定を受けていたので、こちらの仕事を選びました」

内定の条件を交渉したい人は多いが、そのやり方を理解していない人も多い。交渉の理由として「私ほどの適材はいません」という答えが効果的かというと、そうではない。あなたが最高の候補者でなければ、そもそも内定をもらっていないはずだ。

翻訳・編集=出田静

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