人口規模も中国に次いで世界2位のインドでは、スタートアップのエコシステムも整備されつつある。インドは世界のベンチャーキャピタル市場において、米国、中国に続く第3位のポジションにつけている。
昨年、インドのスタートアップ企業がベンチャーキャピタルから調達した資金は合計で28億7000万ドル(3092億円)。調達額は2016年から17%の減少となったが、買収等のエグジット額の合計は27億ドルに達し、56%の伸びだった。
サムスンの投資部門「サムスンネクスト(Samsung Next)」は昨年、インドで400万人のユーザーを抱える健康アプリ「HealthifyMe」のシリーズB資金調達に参加した。
HealthifyMeはAI(人工知能)を活用し食事の内容やフィットネス活動をトラッキングするアプリ。今回の資金調達には日本のドリームインキュベータや、シンガポールのAtlas Asset Managementらも参加し、合計で1200万ドルを調達した。
インドのバンガロール本拠のHealthifyMeは、今回の資金をもとにインドでの市場を拡大し、健康食品やサプリメントの販売にも進出する考えだ。同社は既に中東市場にも進出を開始している。
一方でインドでは求人市場も急成長が続いている。米サンフランシスコ本拠の「Nexus Venture Partners」はハイデラバードとサンフランシスコに拠点を置く、求人広告プラットフォーム「Joveo」の500万ドルのシリーズA資金調達を主導した。
Joveoは調達資金を用い、AIや機械学習のテクノロジーを増強する。さらにJoveoはこの資金で広告テクノロジー企業の「Ripple Media」を買収し、プラットフォームとしてのパワーを増強する意向だ。
バンガロール本拠の動画アプリ企業「Clip」も注目すべきインド企業の1社だ。Clipはスマホユーザーらに60秒程度の動画の編集や加工を可能にし、プラットフォーム上でシェアさせている。Clipは先日、Matrix Partnersが主導するシリーズA資金調達で600万ドルを調達した。