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2018.02.25

科学者がつくった「e-skin」の不気味で魅力的な可能性

Kotin / shutterstock.com

コロラド大学の研究者たちが開発した「e-skin」についての詳細が、『Science Advances』誌に掲載されている。

e-skin(電子肌:electronic skin)とは、本物のように柔らかい合成肌のことだ。触覚を備えており、空気の流れや温度・湿度を感じることができるほか、自己再生するといった本来の肌がもつ機能も備えている。コロラド大学ボルダー校 機械工学部のザナン・ゾウ、ヤン・リー、ジャンリャン・シャオ、生化学部のシェング・ズー、シンフェン・レイ、ウェイ・ザンによってこのセンサーを搭載したレイヤー状の半透明素材がつくられた。

e-skinは、銀のナノ粒子を加えることで強度と電気伝導性を獲得した新素材ポリマー「ポリイミン」を含んでいる。また、この合成肌はリサイクル可能だ。エタノールを含むリサイクル溶液に浸けると、ポリマーは小さな構成要素に分解され、銀のナノ粒子は沈殿する。これらすべての成分は、新しいe-skinをつくるために再利用することができる。

将来的には、e-skinを使うことで義足やロボットの機能性を高め、これらをより生物に近づけることができると考えられる。さらに、e-skinは電子機器の表面をも覆うようになるかもしれない。そうすれば、より触り心地がよく、よりユーザーとインタラクトし、自らリペアできるようなデバイスが生まれるだろう。

身の回りのすべての物体が肌のようになり、スマートホンが「ねえ、くすぐったいよ」と言うような未来を想像してみよう。少し不気味でもあるが、その可能性は魅力的である。

翻訳・編集=宮本裕人

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