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Trussle創業者 Ishaan Malhi(courtesy of Trussle)

現金の送金や住宅ローンの申し込み、日々の支出の管理といった場面で、銀行よりもスタートアップ企業のサービスのほうが便利な場合が増えてきた。

銀行経由の海外送金は手数料が高くて不便であり、そこから「TransfersWise」のような送金サービスが現れた。英国で始動した「Monzo」というアプリは節約志向のミレニアル世代の支持を集め、500万人以上の利用者を獲得した。

住宅ローンの仲介を行う「Trussle」創業者のIshaan Malhiは、今年のフォーブスの「30アンダー30(30未満の重要人物)」の一人に選ばれた。現状では英国のみで事業を展開しているTrussleは、90以上の住宅ローンの貸し手から利用者に合う企業をマッチングする。

ロンドンのオールドストリート付近に本拠を置くTrussleは、14名だった従業員数を昨年60名近くまで増やし、700万ドル以上の資金を調達した。

創業当初にMalhiは、不動産大手の「Countrywide」の役員にミーティングに招かれた。その席で彼は「Trussleの事業は破綻する運命だ」と告げられた。しかし、その2ヶ月後にCountrywideは突如、業績を下方修正し、ロンドン市場に上場するCountrywideの時価総額は半分にまで減少した。

Malhiは皮肉な微笑みを浮かべてこう語る。「既存の不動産や金融サービスは、時代遅れのものになりつつある」

ここで連想されるのが、かつて大手の通信企業らが直面した現実だ。ボーダフォンやAT&Tといった通信大手は「土管化」という現象に襲われた。彼らは膨大な顧客を抱えつつも、ユーザーの多くはフェイスブックやWhatsAppなどのアプリの利用を開始し、大手のサービスは単なるインフラに過ぎないものになった。

ここで大事なのは、モバイル時代にふさわしい顧客との関わり方を確立することだ。現代の銀行もかつての通信大手と同じ「土管化」の危機に瀕している。

MonzoやTransferWiseの利用者は、「このアプリが好きだ」という感情を持っている。これは、従来の銀行の利用者たちが持たなかった思いだ。ファイナンス系のアプリは親しみやすいデザインやインターフェイスを打ち出し、新たな利用者を獲得している。また、既存の金融機関のアプリよりもずっと便利な点で支持を集めている。

「ローンを断られた」経験から起業

MalhiがTrussleのアイデアを思い立ったのは3年前のことだ。当時の彼は投資銀行の「メリルリンチ」に務めスタートアップ関連の仕事をしていた。彼は十分な収入を得ていたが、ある日2ベッドルームのアパートを購入しようとしたところ、銀行は彼がフリーランスの契約で仕事をしていることを理由に、ローンの申し込みを断ったという。

Trussleのアルゴリズムは従来の不動産ローン仲介業者よりも、広範囲で柔軟なオプションを検索し、利用者に最適なローンを提供する。例えるならばエアビーアンドビーがホテル業界に与えた革命に近い。

フィンテック分野のスタートアップ企業は、乗り越えなければならない壁も多い。Monzoの場合、利用者はまず自分の給料の振込先を、Monzoのアカウントに変える必要がある。信用のある大手銀行から、新興のスタートアップの口座に資金を移させるのは大きなハードルといえる。

Trussleはまず住宅ローンのマッチングから事業を開始し、将来的は自社で顧客にローンを提供したいと考えている。Trussleの広報担当者によると同社は、既存の住宅ローン仲介業者と同様に、英国の住宅ローンの98%を把握する金融サービス大手「Legal & General」のデータベースにアクセスしているという。

「家を買いたい人々と、住宅ローンを提供する人々の関わり方を、今の時代に沿ったものに変えていきたい」とMalhiは話した。

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