評価の引き下げの最大の理由は、スナップチャットの最新のアップデートに関し、ユーザーの多くが不満を表明していることにある。
オンライン署名サイトの「Change.org」では、スナップチャットのアップデートに反対する署名が120万件以上集まっており、前代未聞の事態となった。
直近のアップデートでは友達のコンテンツとブランドや企業とのコンテンツが見分けやすくなったものの、友達のストーリーの一覧性が低下し、ユーザーはこれに抗議の声をあげている。
その結果、スナップチャットのiOSのアプリストアでの評価は現在5点満点中2.3点となっており、大半のレビューは「古いバージョンのほうが良かった」と述べている。グーグルプレイ上でも直近のレビューの大半は星1つの評価だ。
このまま低評価が続けば、ランキングでの順位も低下し、新規ユーザーの獲得も困難になる。調査企業「App Annie」のデータでは、スナップチャットはiOSのアップストアのランキングで、7カテゴリ中の6カテゴリで下位に沈んだ。また、多くの国でトップ10アプリの圏外に沈んでいる。
スナップのCEOのエヴァン・スピーゲルは、今回のアップデートにユーザーがなじむまでには時間がかかるだろうと述べている。スナップは2月6日発表の四半期決算(2017年12月31日まで)で前年同期比72%増の2億8570万ドル(約313億円)の売上を報告。株価は昨年3月のIPO価格の17ドルまで回復していた。
しかし、シティグループがスナップ株の評価を引き下げるのには、ほかの理由もある。シティのアナリストらはスナップが昨年夏に導入した、セルフサービス型の広告プラットフォームが、広告単価の下落を招くと見ている。さらに、スナップは直近の決算で依然として赤字で、四半期あたりの赤字は3億5000万ドル(約384億円)だった。
シティはスナップが黒字化を果たすまでに、さらに30億ドルの現金を燃やすことになると述べている。
CEOのスピーゲルはこれまで正しい判断を行ってきた。今回も彼の判断が正しいのかどうかは、時間が経ってみないと分からない。