飲み放題でも「水」を飲む、マインドフルドリンキングの効果とは

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話しはそれましたが、そんな私にも圧倒的に気に入っている水があります。それは、桜島(鹿児島県垂水市)の温泉水です。初めて飲んだのは12年前でしたが、口に入った瞬間の柔らかさが印象的で、甘みが感じられる程でした。

口の中でフワッと広がる感覚も他の水にはなく、後からわかったことでは、その水はクラスター(粒子)が平均的なミネラルウォーターの半分ほどで、そのため体内に浸透しやすいということでした。他の水との口当たりの滑らかさの違いが大きかったこともあり、桜島の温泉水と出会ってからというもの、その他の水に雑味を感じるようになったのです。しかし毎日持ち歩くわけにもいかなく、少しずつその水を飲む機会は減っていきました。

え
沖縄県南城市の垣花樋川(かきのはなひーじゃー)にて

それから10年後となる昨年末、とある講演会で食生活について聞かれ水について語ったところ、数日後にDeNAに水が送られてきました。それはまさかの桜島の水でした。桜島の水が好きだと話したわけではないのに……しかも以前の水とまったく同じ味でした。

すぐに送ってくれた桜島の水の販売を行う会社に連絡し、桜島の水がなぜこんなにも美味しいのかを確認したところ、クラスターや加熱方法の工夫など、無色透明に見える水ながらその奥深さに改めて感銘を受けました。この水の存在を多くの人に知ってもらいたかったので、水を送ってくれた会社の武部さんにラジオ出演してもらいました。

私のように、運命の出会いだと思える水は人それぞれあると思うので、次回コンビニに行く際は今まで飲んだことのない水を買ってみてください。重みを感じたい人はヨーロッパの硬水、口当たりの柔らかさを求める人は日本の軟水が合います。旅行に行く機会があればその地の湧水を飲むのもオススメです。昨年は金沢、先月は沖縄で湧水を飲んできましたが、水を知ることでその地の食文化を学ぶこともできます。

なお、水を飲んだからと言って健康になれるわけではなく、水の味を探ることで舌が変わり、口に入れるものへの意識が高まることや、味覚の変化に関心を持つことで水を飲む機会が増え、それに伴い清涼飲料水やアルコールを飲む量が減り、結果健康になりやすいという流れがつくれます。

「飲み物の中で水が一番好きです!」という人には出会ったことがないので、このコラムをきっかけにそのような人に出会えたら嬉しいです。

文=平井孝幸

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