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報酬の性差の実態

研究チームは、米国内196都市で働く約180万人の運転手の運転記録を調査。このうち女性は50万人ほどだった。その結果、男性は1時間当たり平均で21.28ドル(約2260円)稼いでいたが、女性の1時間の平均報酬は20.04ドル(約2130円)だったことが分かった。

報酬の性差を生む明らかなシステム上の要因はないものの、報酬の差が存在することを裏付ける要素はいくつかあった。例えば、男性は1週間に17.98時間運転していたのに対し、女性の週平均運転時間は12.82時間だった。これ自体は問題ではないものの、これにより男性の方が同社のシステムや顧客の見つけ方を女性より深く理解しているのではないかと、研究チームは考察している。

研究チームによると、同社システムの使い方を熟知するには平均2500回ほどの走行が必要で、この経験レベルを超えた運転手は500回しか走行していない運転手に比べて1時間当たり最高3ドル(約320円)多く稼いでいた。

男女が運転する地域の違いもあった。悲しい現実として、女性は安全上の懸念から特定の地域や時間帯に運転を控えることが多い。また、男性運転手が女性運転手よりも2.2%速いスピードで運転していたことも報酬差に影響している。高速で運転すれば、1日の勤務に詰め込める走行数も当然増えるからだ。

男女平等を達成するには

こうした要素の多くが、あからさまな差別というより単なる経験の差から生じていると言って差し支えないだろう。とはいえ、ウーバーはこの調査結果を活用し、運転手と顧客の両方にとってより良いシステムを構築できる。

研究チームは「乗客も運転手も、安全性が保てるのであれば目的地には早く到着したいはずだ」「関係者全員の公平性と利益を考慮し、何が『適切な』差なのかを決めることは、複雑だが重要な課題だ」と述べている。

この調査結果が果たしてどれほどの効果を生むかはまだ分からないが、新米運転手の経験構築を支援する、危険な時間帯に働く運転手の安全支援を強化するなど、問題がどうにか改善されることを願っている。

編集=遠藤宗生

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