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2018.02.17

テニスブームの中国、深センで賞金15億円の国際試合が開催へ

XiXinXing / shutterstock.com

中国ではグランドスラムで2度の優勝経験を持ち、2014年に引退した女子テニス選手の李娜(リー・ナ)の活躍以降、テニスブームが起こっている。

その中国の深センが、WTA(女子テニス協会)ツアー最終戦の開催地に決まり、今後さらにテニス人気が高まりそうだ。

深センの不動産デベロッパーの「金地集団」は、マンチェスターなどのライバル都市に競り勝ち、2019年から2028年までのWTAファイナルズの開催権を獲得した。ファイナルズにはシングルスとダブルスのそれぞれ年間成績上位8人(8組)が出場する。

中国の広東省と金地集団は、推定で5億ドルを投じ1万2000人収容のスタジアムを深センの中心部に建設する。初年度の賞金総額は1400万ドル(約15億円)で、シンガポールで開催された2017年の賞金のほぼ倍の額になる。

深センはWTAファイナルズを開催する世界で10番目、アジアでは2番目の都市となる。WTAファイナルズは、これまでニューヨーク、ミュンヘン、マドリード、ドーハ、イスタンブールなどで開催されており、現在のホスト都市はシンガポールだ。

WTAツアーのCEOであるスティーブ・サイモンは、今回の決定を「WTAの歴史45年で最も大きく、かつ重要なファイナルズの契約だ」と述べた。

金地集団のリウ・フォンニン(劉豊寧)は「世界クラスのイベントの開催は国内外のテニスファンを魅了し、グローバル都市としての深センの価値をさらに高める」と述べた。

中国政府は近年、テニスコートの建設や外国人コーチの招聘、テニスイベントの開催への予算を増大させている。国際的な試合を開催すれば、世界への強力なアピール材料になるとの目論見もある。

李娜の出身地である湖北省の武漢では、2億2500万ドルを投じた豪華スタジアムを建設。2014年から武漢オープンを開催。スポンサーにはファーウェイや自動車メーカーの「東風汽車」などの有名企業が名を連ね、中国のミレニアル世代から大きな注目を集めている。

編集=上田裕資

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