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企業家、テクノロジー、ビジネスをカバーするジャーナリスト。

baranq / shutterstock

転職活動はそれ自体仕事のようなものだ。履歴書を何度も直したり、求人情報サイトを閲覧したり、友人や知り合いの間で人脈作りにいそしんだり、あまりに仕事量が多すぎて新たなキャリアを始める喜びも不安に変わってしまいかねない。一方で未来の求職活動は、テクノロジーによって負担が大幅に軽減されることで、完全に異なる経験となるだろう。

求人・採用分野の企業幹部数人を取材した結果見えてきたのは、今後わずか数年間で採用活動に大きな変化が訪れる可能性だ。彼らはいずれも、人工知能(AI)と機械学習の活用で、仕事と人材の複雑なマッチング作業が能率化され、将来は履歴書の選別よりも対面の選考により多くの時間が費やされるようになるとの見解を示した。

求人サイト

求人サイトを運営するインディード(Indeed)のラージ・ムカジー上級副社長によると、就職から91日以内に転職活動を始める人は全体の約65%を占め、人材と仕事のマッチング業が完全に機能していない可能性を示唆している。

この問題を解決する唯一の方法は、大量のデータを集めること。仕事のスキルや給与、ユーザー傾向などの膨大な情報をかみ砕き、人材と採用ポジションを引き合わせる作業は、AI抜きには不可能だ。

インディードのようなサービスは、AIと機械学習によって給与基準などの要素を予測評価できる。インディードのAIは、自然言語処理を用いて求職者の履歴書からスキルや職歴、経験年数などの要素を認識・抽出し、採用企業側が評価しやすいようまとめることもできる。

求職者が調査に費やす時間は将来的に減るだろうとムカジーはみる。この分野でAIと機械学習が発達すれば、インディードのようなサービスは求職者の職歴やスキル、給料、興味、勤務地を考慮し、適合性がはるかに高い新たなポジションを提案できるようになる。また、現職の給与が適正かどうかを他社データと比較し、高精度な判断を下せるようにもなるだろう。

スキル測定

4年前に創業したサンフランシスコのコードファイツ(CodeFights)は、技術者がコーディングスキルを練習・実践し、自分の能力のスコアや評価を得られるウェブサイトを運営している。同サイトは求人中の企業も利用しており、プログラマーは証明されたスキルに合わせて新たな雇用主に出会い、採用企業は候補者の実力を確認できる。

共同創業者のティグラン・スロヤン最高経営責任者(CEO)にとって、就職活動とは典型的なマッチメイキングであり、輸送業のウーバーや、ホテル・短期レンタル業のエアビーアンドビーによる仲介ビジネスと似ている。しかし、労働者と雇用主を結ぶ作業は非常に複雑で、スキルや給与、勤務地、性格、経験、企業文化、履歴書や職務説明の不正確さなど、多くの情報を考慮しなければならない。

スロヤンは、求人サイトやサービスが最終的に教育のハブ(中心)となり、スキル構築や能力測定サービスが提供され、求職者が自分の能力を採用企業に示しやすくなると予測している。

編集=遠藤宗生

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