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Bakhtiar Zein / shutterstock

近年、日本でも認知度が高まっている「マイクロファイナンス(小口金融)」。業界を牽引してきたブルーオーチャード社の幹部が、その現在と未来について語った。


2017年晩秋、最寄りの街から数時間はかかるミャンマーの山奥へ日本人投資家の集団が向かった。訪れた先は不動産物件でも、工場でもない。山村で暮らす、融資先の「女性起業家」たちだ。

彼らを案内したのは、スイスの投資会社「ブルーオーチャード・ファイナンス」のピーター・ファンコーニ会長。同社は、途上国の貧困家庭への少額融資を通じて自立を支援するマイクロファイナンス(小口融資)を専門としている。同社は16年10月に立ち上げた「日ASEAN女性起業支援基金(JAWEF)」の融資先である、女性起業家たちのニーズを把握するためにミャンマーを訪れたのである。

「(小口融資は)透明性の高い業界です。使途を明らかにし、それを出資者に報告します」と、ファンコーニは「泥だらけ」になりながらも視察をした理由について語る。

01年の創業以来、ブルーオーチャードはマイクロファイナンスの第一人者として貧困家庭を支援し続けてきた。旗艦ファンド「ブルーオーチャード・マイクロファイナンス・ファンド」は13億ドル規模にまで成長し、過去12カ月の利回りは4.4%。JAWEFも国際協力機構(JICA)や住友生命が出資するなど、順調に伸びている。

ブルーオーチャードが今、日本での展開を見据えているのが「マイクロインシュアランス(小口保険)」だ。冒頭の村人たちのように、借り手の多くは自然災害に弱い、インフラが未整備の環境にいることが多い。融資を受けたところで、被災してしまえば負債を負いかねない。そこで低価格の保険を提供することで、借り手の家計、ひいては社会経済が不安定になるのを防ごうというのである。オマール・カンディール副会長は、マイクロファイナンス業界が今後さらに“進化”すると考えている。

「マイクロファイナンスは、ゆっくりとゆっくりと、社会を支える骨組みのようなものになっていくのではないでしょうか」

文=フォーブス ジャパン編集部

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