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2018.02.18 08:00

米自転車シェアLimeBike、不動産企業と提携し「駐輪スペース」拡大

Ken Wolter / shutterstock.com

Ken Wolter / shutterstock.com

米国発の自転車シェア企業「LimeBike」がまた新たな資金調達を行った。LimeBikeの売りは専用駐輪ドックを持たない、乗り捨て自由の自転車シェアサービスであることだが、今回は不動産企業からの資金を得たことで、駐輪スペースの確保が容易になる。

昨年1月に設立のLimeBikeは先日、新規で7000万ドルの資金を調達した。累計の調達額はこれで1億3200万ドル(約140億円)に達した。

今回の出資元の「Fifth Wall Ventures」は米国最大規模の不動産関連企業である「CBRE」や「Host Hotels」「Lowe’s」らが資金を注ぐベンチャーキャピタルだ。Fifth WallのパートナーのBrad Greiweによると、彼らは既に不動産物件のオーナーらとLimeBikeをつなぐ動きを開始しているという。

「自転車シェアを不動産物件に組み入れることにより、地下鉄の駅やバス停から遠いアパートの価値を高められる」とGreiweは述べた。

ドックレス型の自転車シェアは便利である一方、街路に放置された自転車が問題を引き起こす場合がある。ショッピングモールやアパートの建物のそばに、専用駐輪スペースを確保することで、LimeBikeをより便利で快適なサービスにすることが可能だ。

LimeBikeは昨年6月にサービスを開始し、既に米国の47都市に拡大。3万5000台の自転車を配置している。累計の乗車回数は150万件を超え、通常の自転車だけでなく電動自転車やスクーターの提供も開始した。

同社CEOのトビー・サンは、新規の7000万ドルの資金でサービスの拡充を行っていくと述べた。「LimeBikeのサービスに関心を持つ各都市から多数の問い合わせを受けている。我々が当初思った以上のスピードで、事業は拡大している」とサンは話した。

この分野では競合企業も現れた。その一つの「Jump Bikes」は先日、ウーバーと提携し、サンフランシスコで初めて市の認可を受けたドックレス型の自転車シェア企業となった。また、オレンジ色の自転車で知られる「Spin」は全米に1万2000台の自転車を配置し、最近では電動自転車やスクーターの提供も始めた。さらに、中国の自転車シェア企業も米国での存在感を高めようとしている。

しかし、LimeBikeのサンは競争の高まりを歓迎している。「競争が起きるのは良いことだ。競合企業が居るからこそ、サービスを改善しより良いものにしていこうという意欲が湧いてくる」とサンは話した。

編集=上田裕資

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