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CyberGym(サイバージム)のハッカールーム。軍のサイバーインテリジェンス部隊で活躍した講師陣がクラッカーに扮し、ハッカールームから攻撃を仕掛ける。

近年、サイバー攻撃の急増に伴い、各国の企業でセキュリティに対する意識が高まりつつある。そこへ、イスラエルの起業家が世界的なサイバー防衛ネットワークを構築しようとしている。

世界で最もサイバー攻撃を受けているイスラエル電力公社「IEC」。同社の経験を生かして創業したのが、サイバー防衛のトレーニング企業「CyberGym(サイバージム)」である。

同社はイスラエルをはじめ、ヨーロッパ各国にサイバーアリーナと呼ばれる訓練施設を設置している。2017年11月にはオーストラリアにも開設。17年末には南アフリカ、18年にはアメリカおよび日本での開設を予定しており、世界中のタイムゾーンに拠点を持つ計画だ。グローバルなサイバー防衛ネットワーク「CyberGrid(サイバーグリッド)」の構築を進めている。

今回、サイバージムを立ち上げたオフィール・ハソンCEOにイスラエルのサイバーセキュリティ事情、そして「サイバーグリッド」の意義について聞いた。

─イスラエルでは高校卒業後、軍役につき、そこで得た技術やノウハウをもとに起業する人が多い。あなたが所属したサイバーセキュリティの精鋭部隊「8200部隊」からも多数の起業家が生まれている。

オフィール・ハソン(以下、ハソン):8200部隊ではどのようなことにもチャレンジできる環境が整っている。失敗を恐れず、失敗から学ぶ─。よく「Think out of the box.(型にとらわれずに考えろ)」というが、8200部隊にはそもそも型がない。こうしたマインドセットが多くの起業家を輩出する礎となっている。

諜報活動やサイバーセキュリティでは常識に縛られないのが重要だ。例えば、この数年でドローンは単なる玩具から脅威になりつつある。AI(人工知能)を活用したサイバー攻撃は攻撃パターンを複雑化・高度化させており、こうした問題に柔軟に対応できる発想力が求められている。

─日本でもサイバー攻撃に対する危機意識は高まっている。20年夏季オリンピックを迎える前にできることは?

ハソン:オリンピックは世界中のハッカーが注目している。大会だけでなく、日本のインフラを攻撃しようとするだろう。まずはその意識で準備を進めることが必要だ。

世界中で起きているサイバー攻撃の状況把握やパターンの解析、実際の事例に触れてみることで意識は向上する。それを戦略的な行動に移し、組織として備えるべき。セキュリティ担当者だけではなく、一般従業員、経営陣それぞれの責任範囲を明確化することが重要だ。

文=石原紀彦

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