Birdを設立したのは、リフトとウーバーで重役を務めたTravis VanderZandenだ。VanderZandenは、2016年にウーバーを退職している。同社は、必要な事業免許を取得していないとして昨年12月にサンタモニカ市から刑事告訴された。しかし、VanderZandenによると「市とは前向きな話し合いができており、電動スクーターのシェアサービスをロサンゼルス全域や、サンディエゴにも拡大する予定だ」という。
「私はウーバーを去った後、交通分野の未来についてじっくり考えた。その結果、近距離移動用のEVこそがクルマの利用を削減する最適な方法だという結論に至った」とVanderZandenはフォーブスの取材に述べた。
係争中であるとはいえ、Birdの急速な事業拡大は交通渋滞が深刻なロサンゼルスにとって朗報だ。同社に出資した投資家らも、電動スクーターのシェアサービスの可能性に期待する。
「電動スクーターは、便利でエコだ。交通渋滞を緩和し、都市を快適にする。電動スクーターは、都市生活を改善する可能性を秘めている」とBirdに出資したCraft Venturesの共同創業者で、Birdの取締役に就任したDavid Sacksは話す。
「乗り捨て自由」の放置スタイル
スクーターは、1回の充電で15マイル(約24キロ)を走行可能。Birdのアプリをダウンロードすると利用可能なスクーターの位置が表示される。ユーザーは、スクーターに付いているQRコードをアプリでスキャンし、運転免許証とクレジットカードの情報を入力すれば利用することができる。費用は、基本料金が1ドルで、あとは1マイルごとに15セントが加算される。
現在、スクーターの数は1000台で、これまでにのべ25万人以上が利用した。VanderZandenは、業績の詳細やスクーターの製造元については明らかにしていないが、Birdはセグウェイ製の電動スクーター「ES1」(399ドル)によく似ている。
ユーザーは、Birdを使用後、「次の利用者が見つけやすい場所に、歩道をブロックしない状態で駐車すること」を推奨されている。また、走行中はヘルメットを着用し、歩道ではなく自転車専用レーンを利用しなければならない。