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Cineberg / shutterstock.com

アップルは長年、顧客第一主義の企業として知られてきた。しかし、ことMacBook Proに関してはこの数年で魔法のような体験は失われ、マスマーケット向けの製品に様変わりしてしまった。

とりわけ論議の的になっているのがキーボードだ。アップルが採用した第2世代の「バタフライ構造」は、従来よりも軽量で薄い反面、壊れやすく、一部のユーザーからは溜まったホコリによって操作ができなくなるという報告も上がっている。

キーボードは、多少の欠陥があっても日々使う中で自然に体が対応するようになるものではあるが、第1世代のバタフライ構造が登場する前のモデルは、これまでで最も使いやすいものだった。しかし、アップルはデザインの美しさを重視し、より軽量で小型のキーボードに変更してしまった。

MacBook Proの最新モデルからは多くのポートが姿を消し、USB-Cポートしかない。アップルは、Mac製品にUSB-Cだけ搭載すれば、業界も従うと考えているようだ。数年後にはそれでも良いかもしれないが、現時点ではユーザーの多くは様々な種類の周辺機器やカードを所有しており、従来のコネクタがないと不便極まりない。

電源コネクタもUSB-Cになり、磁石式の電源コネクタ「MagSafe」は廃止されてしまった。MagSafeは、コードに足を引っかけてもコネクタが外れ、本体の落下を防いでくれたが、今後は故障や修理が必要になるケースが増加することが予想される。

アップルはこの数年、iOSを最優先に新機能の開発を進めており、Macプラットフォームのアップデートは、iCloudやiPhone・iPodの既存機能に関連した内容となっている。「Touch Bar」や「Touch ID」も元はMac向けに開発されたものではなく、アップルにとってMacOSとMacの優先度は下がっているのが実情だ。

2018年モデルはどうなる?

このように、MacBook Proには様々な欠点があるものの、処理能力の高さでこれらの問題を補っていると言える。2018年モデルでは、インテルの最新マルチコアプロセッサが搭載され、性能は大幅に向上する予定だ。また、Retinaディスプレイは解像度が非常に高く、キーボードの使いにくさを帳消しにしてくれる。

MacBook Proは部品を小型化し、ディスプレイを薄くしたことで格段にパワフルになりながらも、これまでで最も軽量化と薄型化を図ることに成功した。

スペックに記された数字は嘘をつかず、マシンの進化は目で見てわかるものだ。従来よりもパワフルでバッテリー駆動時間が長く、軽量であることはユーザーにとって大きな利点であることは間違いない。しかし、一方でMacBook Proがこの数年で失ったものもある。

それは、ユーザーに驚きと感動を与える品質であり、競合製品にはない価値を追求する人間のコミットメントだ。MacBook Proの「標準化」が進むにつれ、MacBook Proらしさの源泉であった人間的要素はますます失われてしまうことだろう。

編集=上田裕資

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