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2018.02.15 17:05

メディアに注目されずに進む、日本のゾンビ企業の「非ゾンビ化」


ゾンビ企業が非ゾンビ企業になっただけで、別に優良企業に変貌したわけではないので、メディアに大きく取り上げられたりもしない。しかし、このような変化が日本のあちこちで起きているように感じる。これはメディアに取り上げられないし、大手の機関投資家もこのような会社への投資は得意ではないので、あまり知られていない動きではある。

カルビーが松本晃CEOのもとでよくなったようなケースは、普通のちょいダメ企業が優良企業へと変貌していったのでメディアの注目も高く、ビジネスマンであれば経済紙やビジネス誌などでご存じだろう。目を凝らせば、知らないうちにそのような会社が大きく変貌を遂げているのだ。

私たちはこれを「きれいなオジサン」銘柄と呼んでいる。ちょいメタボなオジサンが少しだけトレーニングをして、こざっぱりした格好をしてちょっぴり見違えたというようなオジサンビジネスマンを見かけることが多くなった。その企業版が「きれいなオジサン」銘柄である。

おそらく2018年もこのようなタイプの企業で特にメディアにも注目されないうちにしっかり利益を出して、大幅に株価を上昇させる企業が数多く出てくると確信している。ここら辺の銘柄は私たちのひふみ投信でもしっかり狙っていきたい。

起業家レベルの上昇

また最近感じているのが、日本の起業家の質が上がっていることである。若い起業家もシニアの起業家も本物が出てきている。先日も中小企業基盤整備機構で毎年お手伝いをしている「ジャパンベンチャーアワード」の審査で、多くの候補企業の面談をしたが、面談した起業家のレベルの高さに舌を巻いた。10年近く面談をしてきて、年々、日本の起業家のレベルが上昇しているのを感じていたが、今回の質の高さには驚いた。 

時代は着実に変化していて、起業という選択は一発勝負の山師がやるようなイメージから、洗練されたビジネスマンの人生における選択肢の一つになってきたのだということを感じさせられた。

文=藤野英人

この記事は 「Forbes JAPAN 次代の経済圏を作る革命児」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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