ミレニアル世代が夫婦の「財布」を別にすべき理由

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ミレニアル世代の筆者には、仕事を通じて知り合った自分の母親と同じ年代の親しい友人がいる。その友人にある日、夫とは「財布を別にしている」と話したところ、彼女は少し考え込むような様子を見せた。どういうことか、すぐには分からなかったようだ。

バンク・オブ・アメリカは先ごろ、ミレニアル世代のお金の使い方に関する報告書を発表した。

その内容は、友人とのやり取りがその日、なぜそのような成り行きになったかを説明するものだった。ミレニアル世代は年上のX世代やベビーブーマー世代よりも、夫婦で別々にお金を管理する人たちの割合が高いという。世代別にそれぞれ、28%、11%、13%となっている。

一緒に暮らし始めたとき、私たちはまだ付き合っていただけで、お金に関する状況もそれぞれ大きく異なっていた。夫は大学を卒業して就職し、月給をもらえるようになったばかり、筆者は学生ローンを抱えながら大学院に通っていた。

私たちは生活費(家賃、光熱費、家具やペットの犬などにかかるお金)の支払いのために共同名義の当座預金口座と普通預金口座をつくることにしたが、それぞれの可処分所得についてはそれぞれ管理し、共有はしないことにした。その理由は、次のとおりだ。

どちらもフルタイムで働いている──私たちのどちらも、お金の面で相手に依存していない。生活費を分担する必要があるというだけだ。

どちらにも多額の負債がある──二人とも、学生ローンを返済している。一緒に暮らし始める前から組んでいたローンであり、私たちのどちらも、相手の負債に責任を負う必要はない。

自由でいられる──私たちのどちらかが、ばかばかしいほど高額な物を欲しいと思っていたとしても、購入について話し合う必要はないし、他の誰に相談する必要もない。自分で稼いだお金を貯金するか、借金の返済に充てるかについては、自分自身で決めることができる。

相手にどんな影響を及ぼすか心配することもなく、好きなように使うこともできる。光熱費など、毎月必要になる支払いができている限り、私たちはお互いのお金の使い方を、特別に気にすることなくいられる。

隠すことは何もない──自分で稼いだお金を使っているのだから、買ってきたものを車のトランクに隠したり、クレジットカードの利用代金明細書を夫に見られたらどうしようと心配したりする必要もない。同様に、夫が何にお金を使っているのか、共同名義の口座に残高がいくらあるのかも、心配しなくていい。

コミュニケーションが必要になる──報告書によれば、ミレニアル世代の家庭にとって最大の問題となり得るのは、お金のことだという。筆者も夫とは、お金に関する全てのことをオープンに話し合うようにしている。どちらが支払うべきか曖昧なものもあるが、それらについては話し合い、どうするべきかを一緒に決める。そうすることで、お金に関わる問題について、常に相手の話を聞ける状態を保とうとするようになっている。

ミレニアル世代にも、財布を夫婦で一つにしている人たちはいる。だが、ここで説明したようなことが、筆者と夫にとっては最も筋が通っていると思える方法だ。自分の行動が相手の財布にどのような影響を及ぼすかを心配することなく、お互いに経済的に独立した状態を保つことができる。

編集=木内涼子

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