今回の契約により、ネットフリックスは今後の5年間、マーフィーと彼が運営する製作会社の新作を独占することになる。
現在52歳のマーフィーは「Glee/グリー」や「NIP/TUCK マイアミ整形外科医」「アメリカン・ホラー・ストーリー」などのテレビドラマ作品で知られている。また、映画作品では2010年のジュリア・ロバーツ主演の「食べて、祈って、恋をして」で高い評価を獲得した。
マーフィーはこれまで数多くの作品をFoxで手がけてきており、彼がネットフリックスと長期契約を結んだことは、Foxにとっては痛手だ。また、ストリーミング分野でネットフリックスに対抗姿勢を見せる、ウォルト・ディズニーにも脅威を与えることになる。
「1989年にインディアナからハリウッドに出てきたゲイの少年はその頃、ポケットに55ドルの金しか持っていなかった。このようなディールを結べたことは非常に光栄だ。リード・ヘイスティングスをはじめネットフリックスの関係者に感謝の気持ちを贈りたい」とマーフィーは声明で述べた。
マーフィーはまた、「今後も女性やLGBTQなどの性的マイノリティのキャラクターを、ヒーローやヒロインに起用していきたい」との思いも語った。
マーフィーはハリウッドを女性や性的マイノリティの人々にとって、公平な場に変えることを目指すイニシアチブの「Half」の創立者としても知られている。
ネットフリックスとマーフィーは既に、1962年のベストセラー小説「カッコウの巣の上で」をベースとしたオリジナルドラマ「Ratched」の製作契約を結んでいる。また、今回のディールで新たにベン・プラットを主役に起用したコメディシリーズの「The Politician」の製作も発表。バーブラ・ストライサンドやグウィネス・パルトローとの出演交渉も進めているという。
ネットフリックスのCCO(チーフ・コンテンツ・オフィサー)を務めるテッド・サランドスは次のように述べた。「ライアン・マーフィーはこれまでの作品でテレビドラマのジャンルの壁を打ち壊し、新たな世界を切り拓いてきた。社会的マイノリティの人々の声や、ユニークな視点を追い続ける彼の挑戦が今後も続いていくことを確認している」